【リコーカップ】「最後までそわそわ」稲見萌寧が賞金女王戴冠。古江はV逸も「悔いなし」
<LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ/宮崎CC(宮崎)/6543Y・パー72/11月25日~28日>
最後までもつれた賞金女王レースは稲見萌寧に軍配。稲見は「賞金女王になれたのは嬉しいですが、ほっとしました。長いシーズン、やっと終わったという感じです」と話した。これで稲見は東京オリンピック銀メダルに続き賞金女王も獲得。昨年の6月から始まった、長い、長いシーズンが幕を閉じた
PHOTO/Hiroyuki Okazawa
「稲見さんは本当に“強い”選手でした」(古江)
22歳と21歳。若い2人の女王争い。最終戦を残して、その差は約1700万円。古江彩佳はそれも承知の上で“勝つこと”に集中した。
「勝つことができれば結果的に賞金女王になれる。『賞金女王になるために勝とう』ではなく、『とにかく勝とう』という気持ちでした。思ったとおりのプレーはできなかったけど、後悔はありません」と前を向いた。対する稲見は、単独13位以内(古江が2位だった場合の稲見が賞金女王になれる順位)をかなり意識していたという。
「後半はなんとかして13位以内に入ることを目標に頑張りました。最後までそわそわしていました」(稲見)
終盤戦になるにつれ周囲がざわつき出しても、本人たちは冷静だったが、こう聞くとやはり賞金女王を意識していたのではないか? 改めて聞くと2人とも少し考えながらこう話した。
「もちろん、賞金女王へのプレッシャーはありましたね。自分は意識していなくても周りがプレッシャーをかけてきたので(笑)。ただ、それを乗り越えよう! と強い気持ちで戦えたのが、結果的にはよかったのかも」(稲見)
「賞金女王は意識していないと言っていたし、そう思っていた。でも、完全に意識しないというのは難しかったのかも。どこかで意識していたんだと思います」(古江)
2人はジュニア時代から切磋琢磨してきた仲とあって、稲見が「あれだけ安定している選手はいない」と言えば古江は「私は“上手い”より“強い”選手になりたい。稲見さんは、強い」と、互いに尊敬の念も忘れない。
今年の女子ツアーは、シード争いだけでなく賞金女王争いもまた、世代交代が顕著になった。いずれにしても、選手の皆さん、お疲れ様でした!
奥嶋コーチと二人三脚で戦った
最終戦は奥嶋誠昭コーチがキャディとして稲見をサポート。「腰が痛いなかでもよく戦い続けたと思います」と労った
メルセデス・ランキングは古江が逆転で1位に
年間の総合的な活躍度を評価するメルセデス・ランキングでは、最終戦で古江が稲見を逆転し1位に。年間最優秀選手は古江が獲得した
マスターズGCレディス以降は古江、稲見の一騎打ちに
三ヶ島かなが悲願の初優勝
<LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ・最終成績>
優勝 | 三ヶ島かな | -11 |
2位 | 小祝さくら | -7 |
3位T | 古江彩佳 | -6 |
3位T | 申ジエ | -6 |
5位 | 高橋彩華 | -3 |
6位T | ペ・ソンウ | -2 |
6位T | 西郷真央 | -2 |
8位 | 堀琴音 | -1 |
週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より