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【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.53 「スウィングが球を作るんやない。」 ゴルフダイジェストWEB

「いろんな表情を持つコースで作られたスウィングは強い」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第五十三話。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

前回のお話し

高松 神戸ゴルフ倶楽部の3番は、一見すると距離が短いなだらかな上りのパー4やけど、冗談やない。実際は強烈な打ち上げで、風にもよるけど187㍎の表示にプラス40、50㍎は見んとあかん。

奥田 そうでしょうね。ドライバーを思い切り振って、しかも高い球で乗せるのが本筋のルート。それが見えて打てるかが試されるホールです。

高松 ちょっとでも低いと手前の傾斜のラフに逮捕されるからな。あと、6番のパー3は、手前から転がして乗せるルートがあるけど、6番に来るまで地面の固さをしつかり読んでおかんと、手前からの転がりが読めん。

奥田 地面の固さは六甲攻略の大きなポイントですわね。グリーンが小さいから直接乗せるのが難しい。だから手前からいくんやけど、地面がどのくらいの固さかによって攻め方が変わってくる。

高松 そこもほかのコースとは違うところやね。オレは毎年、このフェアウェイが固いか軟らかいか、それを見て攻め方を変えるのがひとつの楽しみなんよ。

6番(193y ・パー3)。手前から転がして乗せるには、地面の固さが読めていなければいけない

奥田 なるほど。ゴルフは同じ場所から打ったとしても、天気や風、ライとか必ずなにかが違う。要は同一局面が一切ないスポーツ。そこに地面の固さも大きく影響する六甲は、特にその時々で大きく変わるコースですからね。

高松 そういうこっちゃ。つねに同じようにスウィングして同じように攻めてたらええコースとはわけが違う。六甲は11月から4月までクローズするから、1年経ってまたここに来て、さて、今年の自分はまだいろんなものが見えているか、その上でまだ本筋の球が打てるのかどうか。そこを知るが六甲の楽しみやねん。カード見て、その日の距離や番手なんて覚えて帰ってもクソの役にも立たない。

奥田 あと、こういう多彩な状況があるコースで、それに応じた球を打って覚えたスウィングいうんは、絶対的に強いですわね。普通はこういうスウィングをしたからこういう球になると信じられているけど実際は違うから。

高松 真逆よ。この状況でこの球を打とうとしたから、そのスウィングになる。

奥田 前にイギリスのリンクスで回ってたら、前の組のツーサムの女性なんて、テークバックがビックリするくらい低い。ほとんどクラブを引かずに、めっちゃ低い球ばっかり打ってました。ほかを見ても誰も日本人みたいに大きく上げてる人なんていないし。

高松 そんな打ち方したら風で全部持っていかれてゴルフにならんからな。コースがスウィングを作ってるいうまさに典型的な例やけど、スウィングで分からんなら、ハエ叩きで考えたらええ。

奥田 ハエ叩きですか?

高松 そうそう。璧にとまったハエ殺すのに、パンと打った瞬間引くやろ。あれはぐっと入れたら壁が汚れるからや。

奥田 引くとハエだけが死ぬいうことですわね(笑)。

高松 そんなんも目的を考えたら、手段が勝手にそうなるいうことを、みな自然にやってるんよね。

奥田 たしかにそうですわ。そういう意味でも、さっきの「怖くても滝壺に飛び込め」ですわね。そうやってスウィングは作られていくもんやから。

月刊GDより

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