【ヤマランドニッポン】Vol.47 難グリーンは通称“東名高速”! スタンレーレディス開催の「東名CC」(静岡)
名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、スタンレーレディスの会場でもある静岡県の「東名CC」をご紹介!
PHOTO/Hiroyuki Okazawa TEXT/Mika Kawano
雄大な景色と高速グリーンが出迎える
霊峰・富士を望む愛鷹山の裾野に27ホールを擁する雄大な丘陵コースがある。女子ツアーの「スタンレーレディス」を開催することでも知られる東名カントリークラブである。
竹村秀夫が手がけた設計のコンセプトは「富士山の大きさを大切に」「ブラインドを避ける」こと。昭和43年に開場したコースはその目論見通り富士の絶景を多くのホールから堪能できる。
愛鷹、裾野、桃園の名称を持つ各9ホールはヤマランドならではの地形を生かした打ち上げ、打ち下ろし、谷越えなどバラエティ豊かな構成。愛鷹コースと裾野コースは富士山に向かって進み、途中から山を背にしてクラブハウスに戻ってくる。パー3からスタートする桃園コースも、かつて男子のゴルフダイジェストトーナメントを開催していた当時(昭和46年~平成9年)、恒例のドラコン大会が行われていた9番パー5まで、戦略性豊かなホールが続く。
初冠雪を記録したばかりの富士山の景色も素晴らしいが、大規模改造で2グリーンから1グリーンに変貌した高速ベントグリーンの滑らかな転がりは絶品。ただ速いだけでなくその土地特有の湿度により軟らかくて速いグリーンに仕上がっている。高速だからと敬遠するなかれ。いいショットに褒美をくれるグリーンは体感する価値がある。300ヤードの練習場も魅力だ。
昨年は台風14号の影響で2日目が中止になり36ホールの短縮競技となるなか、稲見萌寧がプロ2勝目。目下賞金ランキングトップを走る稲見の連覇なるか!?
東名CC
27H・10352Y・P108
週刊ゴルフダイジェスト2021年10月19日号