【読者記者】No.1739「7番アイアンは上がるけど、6番だと急に球が上がりづらくなるんです」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「ロングアイアンの球が上がらない」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/グリーンパークゴルフセンター
読者記者No.1739 井上康三郎さん
●76歳 ●ゴルフ歴/50年 ●ベストスコア/80 ●平均スコア/100 ●165㎝・65㎏ ●ドライバー飛距離/200ヤード
先生/上野雄太
84年生まれ、東京都出身。成蹊大ゴルフ部を経て、ゴルフ留学。2010年、プロ入会。「週1レッスン+週1自主練」で上達する、効率指導を目指す。グリーンパークゴルフセンター所属
井上さんのお悩み
「6番アイアンでボールが上がりづらい」
コースでプレーする際、7番アイアンくらいまでは練習場と同じ感覚で球が上がるんですが、6番アイアンくらいから急に上がりづらくなります。どうしたらロフト通りに球を上げられますか?
トップでやや重心が上ずり、そこから最下点に向かって直線的にヘッドを振る感覚が強い(2~4コマ目)。もう少し、回転の要素が入るといい
井上 コースで6番アイアンが使えなくて……。練習場と何が違っているのか、わからないんです。
上野 井上さんの普段のスウィングは、どちらかというと「払い打ち」ですが、コースだとどうしても力みが出るので、普段よりヘッドを上から入れすぎてしまうんだと思います。
井上 そうかもしれません。
上野 トップで普段より手首が折れていないか、右ひじが曲がっていないかチェックしてみてください。飛ばそうとすると、とくにその2カ所に力みが出ますので。もし、力みを自覚したら、「スリスリ素振り」をすると、普段通りのスウィングがしやすくなると思います。
井上 「スリスリ素振り」というのは、どういうものですか?
上野 ボール位置を中心に、前後20センチくらいを、ヘッドで芝をこする感じで「スリスリ」します。何度かこすりながら、後ろにこするときに、そのままテークバックして振ります。
井上 ヘッドを自然に低く引けます。
上野 その始動の感じなら、トップまで力まずに上げられます。
<問題点 1>
力みでひじと手首が曲がってしまう
長めの番手のアイアンは、飛距離を出したい気持ちが強くなるので、普段よりトップで力みやすい
<問題点 2>
テークバックがアウトサイドに上がる
テークバックでヘッドをアウトサイドに上げるほど、軌道はアップライトになり、ヘッドが上から入りやすくなる
記者「強めに振らないと球は上がりませんよね?」
プロ「きちんと当たればロフトが上げてくれます」
Drill
スリスリ素振り
①ボール位置の先までマットをヘッドでこする
②マットから離さずヘッドを戻す
③何度か「スリスリ」して最後にテークバック
力みは、手や腕に力が入った状態。普段から体幹を使って振ることを心がけていると、コースで力みにくくなる。「スリスリ素振り」は、体幹を使って上げる感覚と、ゆるやかなヘッド軌道を身につけるのに有効
Point 1
フォローでも無理にヘッドを持ち上げない
インパクト後も体の回転で、ヘッドを低く振り抜くイメージを持つと、ロフト通りに球を上げられる
Point 2
腰を回すとヘッドがゆるやかに動く
<取材後記>
普段の練習より球が上がった
6番アイアンだからといって、強く打つ必要はないということがよくわかりました。ショートアイアンと同じように、リラックスして振ったら、普段の練習より高い球が出ました。
月刊ゴルフダイジェスト2021年9月号より