使われないギャラリースタンドに、使われない入場ゲート…五輪の裏側をレポート!
PHOTO&TEXT/Kenjiro Hattori
東京オリンピックのゴルフ競技がいよいよ今週開幕するが、練習日の24日、開催地の霞ケ関CC訪れてみると、そこは少し異様な雰囲気が漂っていた。
コース内には立派なギャラリースタンドや、ギャラリープラザ、オフィシャルショップ、観客の入場ゲートなどが手つかずのままあり、いかにも観客を入れる準備が整っていたことがわかる。7月8日に無観客開催が決まったので、片付ける間もなくそのままの状態で残されていて、このまま競技が開催されることになりそうだ。
最寄り駅のJR笠幡駅は、多くのギャラリーに対応するため駅前を再開発するなどしていた。「アウトドアだし、距離も保たれるし、ゴルフは観客を入れても良かったんじゃないかな」と嘆きの声が、あちこちから聞こえてくる。やはりスポーツはギャラリーあってのもの。少し寂しい雰囲気の試合になりそうだ。
使用されることのないギャラリー入場ゲート。当日券も販売する予定だったのか、入場ゲート前にはチケット売り場も
松山英樹も復帰
3週間ぶりの実戦へ
7月頭のPGAツアー「ロケットモーゲージクラシック」で、初日を終えた時点でコロナ陽性となり、しばらく休養をとっていた松山英樹が、オリンピックの舞台から試合に復帰。会場の霞ケ関CCではオリンピックのモニュメントの前で日本代表コーチの丸山茂樹や星野陸也、女子チームの畑岡奈紗、稲見萌寧らと一緒にフォトセッションが行われたが、その撮影中、松山は終始白い歯を見せていた。
アメリカにいたころよりは、いくぶんほっそりとしたように見えるが、練習ラウンドの様子を見る限りは、相変わらずショットもパットも調子は良さそう。練習場では、ドライバーを中心にクラブの最終調整を行っていた。
「コロナにかかって以降は、練習がちゃんとできなかったんですけど、日本に帰ってきてからは少しできています。今の調子はだいぶ良くなってきているので、オリンピックはすごく楽しみ。やっと『オリンピックが始まるな』という感じで、気が引き締まる思いですし、いい試合ができるといいなと思っています」(松山英樹)
週末に向けて、メダル争いに大いに期待がかかる。
長身の星野に合わせて背伸びする松山英樹
真夏の試合とあって、体感温度は連日35度以上。コースにある暑さ指数計の表示は常に30近い(28~31は厳重警戒、激しい運動は中止)
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月10日号より