【プロスペック】“つかまる”から振り切れる! 注目の若手・石坂友宏のドライバーはやさしさ重視
PHOTO/Hiroaki Arihara
プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、初優勝に向けて奮闘する若手のひとり石坂友宏のセッティングに注目。
石坂友宏
いしざかともひろ。1999年生まれ、神奈川県出身。2019年にプロ転向し、20年のダンロップフェニックスで2位に入るなど、将来を期待される若手のひとり
石坂友宏といえばテンポ良く振り切る気持ちの良いスウィングが持ち味。見ているこちらも気持ち良くなるほどだが、そのためのこだわりがクラブに反映されている。
ドライバーはテーラーメイド『SIMグローレ』のヘッドに、シャフトは60g台のS。石坂ほどのヘッドスピードにしては少しやさしすぎるのでは? と思ってしまうが、これも気持ち良く振るためのようだ。
「2年ほど前にチャレンジツアーに出たときに興味があって使ってみたんですが、ほぼぶっつけ本番だったにも関わらず、飛んで曲がらず申し分なかったんです。僕の場合、もともと球がつかまらないほうなので、ややアップライトでつかまる性能を持つこのヘッドはピッタリでした」
もちろん『SIM』や『SIM2』など他のドライバーも試したが、石坂にとって最も気持ち良く振れたのが『SIMグローレ』だったというわけだ。
アイアンのこだわりは打感。プロレベルでは、通常マッスルバックの打感を好む選手が多いが、石坂はちょっと違った印象を持っているようだ。
「『MB』は見た目は格好いいなという感じだったんですが、飛ばない感じがして。それで(キャビティの)『MC』を使ったら打感も良くて。ロフトなどは少しカスタマイズしましたが、思いどおりの球筋が出てくれます」
柔らかい雰囲気の石坂だが、強いこだわりがある頑固な一面も。こだわりのクラブセッティングで今年は初優勝を期待したい。
マッスルバックだとスピン量が増えすぎて思うような飛距離が出なかったため、『MC』をチョイス。スピン量が適正になったことで、番手ごとの距離をきっちり出せるようになった。打感と顔のシャープさが気に入っている
石坂の小技の上手さはプロ仲間の間でも評判。51度と58度を状況に応じて使い分ける。ロフトピッチは開いているが、操作性の高いヘッドのため、1本でいろいろな打ち方ができる
ヘッドが大きすぎると安定感よりも動かしづらさを感じると石坂。ハーフマレットは石坂にとって、安心感と操作性を両立してくれるモデル。また、この形状は手に感触が伝わりやすい点もいいという
石坂友宏の14本
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月3日号より