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「一夜で転落することもある」バッバが過去のうつ病を告白。ウルフにアドバイスも

マシュー・ウルフがメンタルヘルス問題でツアーを2カ月近く休み、全米オープンで復帰。すると同じ経験を持つバッバ・ワトソンがウルフにアドバイスをしたのだという。

大坂なおみがうつを告白したこともあり、スポーツ界にメンタルヘルスというワードが飛び交っている。そんななかウルフは「自分で自分にプレッシャーをかけすぎた。ゴルフが楽しめなくなった」と長期休養を決断。それを知ったバッバは「電話しようと思ったけれど本人に直接会って話したかったから」と全米オープンの練習日に後輩を訪ね、自らの経験を語った。

「賞金を稼ぎ、浪費をし、ビジネスを始めてそれを売却するなどさまざまな局面を経てうつになった。一時体重が10キロ以上減ったのもそのせい。頼まれたわけじゃないけれど、彼のことが好きだから聞いてほしかった。いつでも相談に乗るから連絡して、と伝えた」

ワトソンがうつの兆候を感じたのは2015年のこと。症状は徐々に進行し体重が激減。

「いつが底だったのかわからないけれど、ゴルフが一瞬で好転するわけじゃないのと同じで心も少しずつむしばまれていく。ただゴルフと同様一夜にして転落することもある。幸いいまは底から脱している」

マスターズに初優勝した2012年にワトソン夫妻は養子を迎え、その後2人目も受け入れ「メンタル的にも人生のピークだった」。しかしピークが永遠に続くわけもなく、やがてうつを患った。

しかし最近はトラベラーズ選手権で3日目にトップに立つなど復調の兆しを見せている。

「ウルフと話したことは彼にとってより自分にとってプラスだった。頭と心がクリアになってとても冷静にプレーできるようになったから」

ちなみにワトソンはアイスクリームショップの経営や野球チーム(マイナーリーグ)の共同経営、自動車ディーラー業にも手を出したことがある。本業以外のストレスもメンタルヘルスに影響したのかも。

誰しもいいときと悪いときがある。42歳バッバの再起に期待したい(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より