【ヤマランドニッポン】Vol.40 眼下に讃岐富士! 四国ゴルファーの夢を叶えた「高松CC」(香川)
名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、香川県の「高松CC」をご紹介!
PHOTO/Masaaki Nishimoto TEXT/Mika Kawano
名匠が手掛けた四国初のコース
香川県坂出市に瀬戸内海を一望する四国でもっとも歴史のあるゴルフ場、高松カントリー倶楽部がある。
四国がゴルフ不毛の地だった昭和20年代、同地のゴルファーは船と汽車、バスにタクシーを乗り継ぎ4時間近くかけて対岸の岡山ゴルフ倶楽部に通っていた。
「なんとか船に乗らずにゴルフがしたい」という声を受け、川奈ホテルゴルフコースの造成に関わった丸毛信勝氏に設計を依頼。標高462メートルの台地に四国初のコースが誕生した。
丸毛氏は蝶の研究で知られた昆虫博士。芝の調査でアメリカやイギリスのゴルフ場を視察した経験を生かし、海を見下ろす山岳地帯に手造りならではのレイアウトを描き昭和29年にまずアウトコース9ホールが完成、その2年後に9ホールを増設し地元ゴルファーの夢を叶えた。
眼下に瀬戸内海を望むインコースも良いが、山が主役のアウトコースも魅力的。特に2番グリーンや4番から眺める讃岐富士こと飯野山の眺望が素晴らしい。ほかにも象頭山や阿讃山脈の雄大な眺めはヤマランドの醍醐味。
ラウンドを終えクラブハウスに戻ると瀬戸内海にとっぷりと沈む夕陽に息をのむ。紅く熟した太陽がジュッと音を立てるかのように海に沈むとあたりは茜色に染まる。毎日繰り返される日常がここではドラマになる。
高松CC
18H・6320Y・P72
週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より