敬意が感じられない? 古閑美保(さん)の選手名「呼び捨て」が思わぬ波紋。解説陣の見解は?
テレビ中継で解説者が選手をどう呼ぶか、古閑美保氏が一石を投じ、話題になった。
同氏はBSテレ東中継のヨネックスレディスで解説者を務めた。その折、選手を呼び捨てにしたことに対してさまざまな意見が寄せられた。
いわく「解説するなら呼び捨ては禁句では」「呼び捨てだと選手へのリスペクトが感じられない」「笠さんは(古閑と同じ)熊本出身の後輩だから、呼び捨てでもいいと思いますが、他の選手にはさんづけが良い」などだ。
これに対して古閑氏はインスタグラムで次のような感想を述べている。要約すると「解説を引き受けさせていただくにあたり色んなご意見を耳にします」「自分でも何が正解かわかりませんが、いつも思うのは日本語とは難しいと悩むばかり……」と戸惑っている様子がわかる。今後については「私なりの解釈で引き受けさせていただきますので、どうぞ私の解説をお楽しみに」と結んでいる。
解説者が選手をどう呼べばいいか、これまでも悩ましい問題であったが、先人の意見を聞いてみよう。
NHKで米ツアー解説をする佐渡充高氏。「規定があるわけではありませんが『さん』『くん』『選手』『プロ』はつけず、登録名をフルネームで呼ぶのが基本です。出場者へのリスペクトが前提にありますが、敬称をつけることとは別問題。むろん個人的には親しいプロもいて、石川を普段は『遼ちゃん』と呼んでいても、放送では『石川遼』です」
同じテレビ解説者のタケ小山氏の場合は少し違う。
「ぼくは個人名に『選手』とつけますね。丸山茂樹が松山英樹を『ヒデキ』と親しげに呼びますが、メジャー試合では疑問符。民放でやっている企画番組ではOKだと思いますが、結局、TPOでしょう。どういう呼び方をするか、その解説者のアイデンティティにかかわる問題ですから……。男子と女子の試合でも微妙に違いますね」
全米オープン、全米女子オープン、日本オープン、日本女子オープンを15年近く解説してきた川田太三氏は「呼び捨て」を徹底している。
「私は“公”を最優先します。ならばいくら親しくても放送の場では呼び捨てがすべて。そしてフルネーム。タイガーではなく、タイガー・ウッズ。ファーストネームを呼ぶのは日本人の文化には合いません。それに選手名は“商品”でもある。商品に敬称はつけません。公ですから、私は解説席に座る時は上着にネクタイ着用です」
読者諸賢はどう考えるか。
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より