【星野陸也が海外で得た“イマドキ”のゴルフ】<前編>「手を返しては通用しない」大型ヘッド時代に彼が下した決断
週刊ゴルフダイジェスト
24年シーズンのDPワールド(欧州)ツアーでポイントランク16位に入り、昨シーズン、夢だったPGAツアーに参戦した星野陸也。結果はフェデックスランク173位でシード権獲得は逃した。しかし、星野が苦しみながらも得た1年間の経験は、彼のゴルフを進化させた。自称「オタク気質」の星野に、PGAツアーで見つけた“イマドキ”のゴルフを聞いてみよう。
PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/宍戸ヒルズカントリークラブ

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- 24年シーズンのDPワールド(欧州)ツアーでポイントランク16位に入り、昨シーズン、夢だったPGAツアーに参戦した星野陸也。結果はフェデックスランク173位でシード権獲得は逃した。しかし、星野が苦しみながらも得た1年間の経験は、彼のゴルフを進化させた。自称「オタク気質」の星野に、PGAツアーで見つけた“イマドキ”のゴルフを聞いてみよう。 PHOTO/Tadashi Anezaki THAN……
PGAのセッティングは想像以上……
だけど「改良次第で戦えることを実感しました」
昨シーズンを振り返り、「ワクワクと緊張感があるスタートでしたけど、始まるとなかなか予選を通れないし、通っても上位に行けない。楽しさが焦りに変わって、もっと行けそうなのに行けないというもどかしさになり、上手くいかずにあっという間に終わってしまいました」と語る星野陸也。何よりコースの芝やセッティングが違っていて、その対応に苦労したという。
「アメリカはヨーロッパ以上に目の強い芝が多い。それなのに12フィート前後くらいのスピードが出る。こういったグリーンでどう打つのか。それにコンパクションがすごく高くて硬い。だから、高い球の練習が必要だし、ドローとフェードもしっかり打ち分けないといけない。セカンドショットでDPワールドツアーと同じような距離を残して、同じように打ってもグリーンが硬いからボールが跳ねてしまったり。だからティーショットでよりピンに近づけておきたいし、ラフにも入れないようにしないといけません」
この部分の技術にレベルの高さを感じたという。
「実際、ティーショットはドライバーでガンガン打ってくるスタイルの選手がすごく多い。飛ぶのに
曲がりません。『この狭いホールをドライバーでいくのか!』と何度も思いましたよ。マキロイが最たるもの。パー4のワンオンホールでもボールを止めてきますし」
止まるボールを打つためアメリカでカットに入れる度合いが極端に大きくなったという星野。
「高い球で止めようとしてスピンが入りすぎるようになり、それを嫌がってドライバーが想像以上につかまるようになり曲がっていたんです。6月くらいに気付いて、ドライバーのロフトを立てることで(10度→8.8度)後半戦はコントロール精度が上がってきました。そうして改めてフェードを打つ練習をして、ようやく“質のいいフェード”が打てるようになったんです」
星野の飛距離はPGAツアーのほぼ平均だが、ティーショットで曲げてパットが入らずのボギーが多く流れを作れなかった。
「僕はもともとコースマネジメントをしてスプーンなどで刻むほうが好きでした。でも20アンダーなんていうスコアが出る試合でそういう攻め方では突き放されていく。予選通過して3、4日目で上位を目指そうとしても追い付けない。初日からトップギアに入れて上位を意識していかないと上に行けないんです。セカンドで距離が残るとグリーンが硬いのでピンまで5メートルという感じになるけど、曲げずに飛ばせば、短いアイアンを使いピンまで2〜3メートルにはつけられる。もちろん5メートルも入れてくるというパッティングの技術の差もあります。ティーショットの精度と芝に適合したパッティングが大事だということを思い知らされました」


現代のクラブに合わせて
「スウィング」をイジった
世界中のコースを経験してわかったことがある。
「僕はアフリカ、中東、ヨーロッパ、アメリカで戦ってきましたけど日本のようなコーライ芝のコースはほぼない。フェアウェイも全部オーバーシードしていてベント芝に張り替えているかバミューダ系かです。男子は上からヘッドを差し込む打ち方が多いのですが、今の選手はそうならないように打っています。ラフも日本ではヘッドの抜けがよくて思った方向に飛ばせるけど、海外はヘッドに芝が絡まりボールがどこへ行くかわからないから、芝の抵抗に負けないパワー勝負になるんです」
星野はクラブやスウィングや体作りに徹底的にこだわり、基本的に全部自分で考えて人に聞いて良いものは取り入れて自分のものにしている。
世界一のツアーには若くて強い選手も多くスウィングも“今風”。
「すごく研究しているんだと思います」
自分のスウィングが“昔風”だと自認する星野。コロナ下でスウィング改造を始めた。スウィングもクラブも進化していくなか取り残されるわけにはいかない。
「昔のヘッドは小さくて運動性能が足りないので、手を使って操作していた。重心距離が短いほうが手で返しやすいですから。今の大型ヘッドは後ろに重心を持ってくることで慣性モーメントが生まれて飛んで曲がらない。今は手を返すとヘッドがブレ、加速を妨げる。だから手はなるべく使わずに体の回転を使って地面反力でスピードを上げるんです。ただ大きいヘッドにすればいいわけではなく、スウィングのことも考える必要がある。だから僕もスウィングを変えないと打てないんです」
ギアとスウィングをいじって「質のいいフェードにしました」

鉛を貼ることでボールを操る。
「ヘッドの重心距離」をイジった
クラブ開発にも関わっている星野。ギアへのこだわりも大きい。常に鉛ロールを携帯し、微調整を繰り返す。鉛は、スピン量やヘッドの動きを見ながら貼るという。
この1年で一番変わったことはクラブの重心位置だという星野。
「芝の違いで打ち方が少しずつ変わっていって、今まで振りやすかったクラブの重心がズレてきた。フェードを打たないといけないし、スピン量も変わっていますから」
さらに鉛を貼る位置をミリ単位で変えて重心を調整する。
「アイアンの重心は少しトウ寄りが好きだった。それが1ミリヒール寄りになりました。そうするために10ミリくらい鉛の位置をズラした。これが今、自分がやっている手を返さない打ち方に合う重心位置。クラブの性能と打ち方、どうやってその両方を生かすか。その大切さをより感じています」

鉛をズラして、アイアンの重心をトウ寄りからヒール寄りにした。「いま自分がやっている手を返さない打ち方に合う重心位置なんです」
昨夏、全英オープンの月曜日に肩から首にかけて電気が走り、そこから指にしびれが出た。その後もなかなか完治せず公傷制度を使った。
「結局、大ケガではなかったけど、疲れや地面が硬い衝撃などもあったんでしょう。今シーズンはヨーロッパを主戦場にしつつ、PGAツアーで出場できる5試合を有効に使ってどの試合もムダにしたくはない。昨年、結果はダメだったけど多くのことに気付けた。自分のゴルフにはプラスしかなかった。それをDPツアーでも試して、レベルアップしてまた早くPGAツアーに戻りたいです」
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- 24年シーズンのDPワールド(欧州)ツアーでポイントランク16位に入り、昨シーズン、夢だったPGAツアーに参戦した星野陸也。結果はフェデックスランク173位でシード権獲得は逃した。しかし、星野が苦しみながらも得た1年間の経験は、彼のゴルフを進化させた。自称「オタク気質」の星野に、PGAツアーで見つけた“イマドキ”のゴルフを聞いてみよう。 PHOTO/Tadashi Anezaki THAN……
週刊ゴルフダイジェスト2026年2月10日号より


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