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【原敏之に学ぶアイアンの極意】<後編>「“親指以外”はしっかり握ってOKです」

2025年の日本オープンでプレーオフの末2位に入り話題になった原敏之。松山英樹の本に「人生最初のライバル」として登場し、ツアー屈指のアイアン名手として知られる原に、どんなライからでも芯でとらえられるアイアンの極意を教えてもらおう。

PPHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/大厚木カントリークラブ・本コース

解説/原 敏之

はら・さとし。1991年生まれ。香川県出身。2012年にプロ転向し、24年にACNツアー初優勝。25年の日本オープンは片岡尚之にプレーオフで惜敗するも、賞金ランク34位に入り初シードを獲得

>>前編はこちら

“親指以外”は
しっかり握る

GD どの番手でも同じ力感で振るという表現がありましたが、それを実現するために実際にスウィングで注意することを教えてください。

 握る指ですね。僕の場合、左右の親指を除いた8本の指を割としっかり握ります。左手人さし指と右手の小指は絡めるのでグリップに触れることはありませんが、それも含めてこの8本でしっかり握っています。

GD グリップは柔らかく握ることを勧められることが多いように感じますが。

 選手によって違うと思いますが、僕の場合はライが悪くてもライが良いときと同じ力感で振りたいので、初期設定をしっかり握るということにしてます。結果、番手やライが変わっても同じフィーリングでスウィングすることができると考えています。

GD 親指に力を入れない理由はどうしてですか。

 スウィングの精度を落とす原因のほとんどが親指の力の入れ過ぎにあります。例えばアドレスで親指に力を入れるとクラブを押さえるような状態になり、その状態からスウィングするとインパクトで手元が浮きやすくなります。また、切り返しで余計な力が入るのも親指に力が入っていることが原因。親指の力感を抜いておくとトップでシャフトクロスになったりアーリーリリースになったりするエラー動作を抑えることができます。

GD 効果的な練習法はありますか。


 両手の親指をグリップから離した状態で握り、ハーフスウィングでいいので素振りを繰り返し行うのが効果的です。クラブの重さを感じることが軌道の安定につながります。

アドレス時に親指に力が入っていると、クラブを地面に押し付けるような状態になり肩に力が入ってしまう。その状態からスウィングするとインパクトで手元が浮き上がりトップやダフリの原因になる

Point
8本の指で握るとクラブの動きが安定する

力み過ぎは良くないと言われるがその原因のほとんどが親指にある。親指を除く8本の指でしっかり握っても力みにつながることはなく、むしろクラブの動きが安定してミート率アップにつながる

親指に力が入っていると切り返しで余計な力が加わりやすくなる。結果、クラブの挙動が不安定になりミート率低下の原因に。親指はクラブを支える程度で十分で、その力感でトップを作るとクラブが暴れなくなる

Drill
左右の親指を外して素振り

親指を外した状態で素振りをすると手のひらでクラブの重さを感じやすくなる。スウィング中にクラブの重さを感じられることでリズムが一定になり、打ち急ぎや力み過ぎを防ぐことにつながる

左足上がり&左足下がり

GD どんなライからでも同じ力感で握って振るとのことでしたが、傾斜地からでも同じフィーリングで振るコツはありますか?

 まず左足下がりから説明します。左足下がりはボールを上げたい心理が働きやすく、ダウンスウィングで右ひざが前に出る傾向があります。そうなるとカット軌道が強くなり、上手くヒットできても距離感が合わなくなります。右足をアドレスの段階で少し後ろに下げることで右ひざが前に出る動きを防ぎカット軌道も修正できます。

GD 左足上がりに関してはどうですか?

 左足上がりは右足荷重か左足荷重かの2種類の打ち方があります。右足荷重の場合はフォローを大きく、左足荷重の場合はフォローは小さく。この組み合わせを間違えないことです。どちらの打ち方にするかは、打ちたい球の高さで選ぶのがいいでしょう。

左足上がりのポイント
打ちたい球筋によって体重配分を変える

左足上がりは傾斜なりに振るか、傾斜にヘッドをぶつけるように振るかの2種類からチョイス。高さを重視する場合は右足荷重で傾斜なりに。その際はフォローまでしっかり振り切る。傾斜にぶつける場合は左足荷重でフォローは小さく。この組み合わせを間違えるとミスヒットの原因になる。

右足荷重の場合はフォローを大きく。高さが出る分、距離が落ちるので番手選びも慎重に

左足荷重の場合はフォローを小さくが正解。球筋は低めで強くなるのでピンが奥の場合などに効果的

左足下がりのポイント①
右足を引いて構える

アドレスで左を向きやすい左足下がりは、アドレスの段階で両ひざのラインに注意する。特にダウンスウィングで右ひざが前に出やすくなるため、最初から右足を引いて構える方法が効果的

左足下がりのポイント②
傾斜なりに構える

左足下がりは傾斜なりに構えるのが基本。体の中心軸を意識して傾斜と両ひざのラインが平行になるように構える。球を上げる意識が強くなると右足に体重が乗りやすく、ダフリやトップが出やすくなる

つま先上がり&つま先下がり

GD 今度はつま先上がりとつま先下がりについてポイントを教えてください。

 つま先上がりとつま先下がりは傾斜の低いほうに体重を持っていかれやすいのでひざを柔らかくして、クッション性を持たせることです。特につま先上がりはひざが伸びやすく、棒立ちで構えるとスウィング中にバランスを保てなくなります。

GD つま先下がりのとき、ひざをどのように曲げて構えればいいですか。

 つま先下がりは、ほとんどの人がひざを曲げて構えると思いますが、その際に前傾を深くして胸を下に向け過ぎないことです。ひざにクッション性を持たせて安定したアドレスを作ってください。

つま先上がりのポイント
土台を安定させて上半身主体で振る

ひざが伸びた状態で構えてしまうと、上半身の捻転が小さくなるのでスムーズに振ることができない。ひざにクッション性を持たせることで上半身が回転しやすくなり、手打ち感覚で振ってもしっかり距離を出すことができる

つま先下がりのポイント
お尻を落とす感覚でひざを深めに曲げて構える

無理やり強く振ろうとするとバランスを崩してミート率が悪くなる。ひざにクッション性を持たせる際に、胸が下を向き過ぎないようにお尻を落とす意識で構えると上半身の回転がスムーズに行える

週刊ゴルフダイジェスト2026年1月27日号より