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【江連忠のPROJECTE】Vol.268 倉本昌弘「体を鍛え上げて使い切るアスリート」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/ Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroyuki Okazawa、 GD写真部

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●今月のレジェンド●

倉本昌弘

1955年広島県生まれ。多くのアマチュアタイトルを獲得し、81年プロ入り。プロ初戦で優勝し、年間4勝を挙げた。92年永久シード権獲得。現在はシニアツアーに参戦しながらJGTOの副会長も務める。通算30勝


何も考えずに打つから
ミスが出ない

当時の日本ツアーでもっとも“頭が切れる人”だった印象の倉本さん。小柄な体で戦うために下した決断がすべて正しかったと思います。

まずは徹底して体を鍛え上げたこと。この時代はまだゴルフ界に“筋トレ”は浸透していませんでしたが、倉本さんはいち早く取り入れて強靭な体を作り上げていました。

そしてその体のエネルギーを最大限に生かすために、スウィングをシンプルにしたことが成功に結び付いた要因。コックを入れずにコンパクトなトップで、クラブの動きを最小限に抑えています。


そのぶん体を大きく回し、広背筋を使ってスウィングするから動きがブレないしスピードが出る。この体形での最大限の飛距離、方向性、安定性を生み出していると思います。

ただ上げて下ろすだけに見えるスウィングは迷いが全く感じられないし、実際に倉本さんはプレーのテンポが速くて爽快でした。

コース外や打順が来るまでは誰よりも思考が深いけれど、打つときには何も考えない。これはプロアマ問わず全ゴルファーが模範にするべきだと思います。

高校生から筋トレを積み重ねポパイと呼ばれた

高校生の頃から筋トレを始め強靭な肉体を作り上げた。日本にまだ筋トレは浸透していなかったためアメリカの情報を得ていたという

倉本の系譜を継ぐのはこの選手

ブライソン・デシャンボー

ノーコックでクラブの動きは最小限に抑える
デシャンボーも鍛え上げた筋肉隆々の体でパワーを生かす打ち方。倉本と同様にクラブの動きは最小限にして、飛ばし屋に伴う曲がるリスクを減らしている

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2026年2月号より