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【教えて! なっち先生】Vol.35 アマチュアの悩みのタネ“カット軌道”の直し方

アマチュアゴルファーの悩みのタネ、カット軌道の原因と改善するために押さえておきたいポイントを、ゴルフイラストレッスンでお馴染みのプロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて詳しく解説してもらおう!

>>前回のお話はこちら


Lesson 35
アマチュアの悩みのタネ
“カット軌道”はどう直す?


コースや練習場でもっとも多く見かけるアマチュアゴルファーのスウィングのエラーは、何といってもクラブが外から入るカット軌道です。

スウィング中、シャフトのプレーン上の近くをクラブが通っていくのがオンプレーン軌道です。そんなオンプレーンと比較して、クラブが外側から立って下りてくることをアウトサイドインのカット軌道と呼びます。

カット軌道になってしまうと、左に打ち出すか、風に弱いコスリ球に近いようなスライスになってしまうので注意が必要です。


バックスウィングで右腕を外旋させる 

では、多くのゴルファーを悩ませるカット軌道をどうやって改善すればいいのか解説していきます! 

イラスト1のAのように親指を真上に向けた状態から親指を外側に回すことを外旋、イラスト1のBのように親指を内側に回すことを内旋と言います。 正しいバックスウィングでは、右腕は外旋運動が行われます。そのためには、ひじは下を向いた状態で胸を回してトップを迎えるのですが、多くの方はこの動きが苦手な傾向にあります。 

Aのように腕を外側へ回す動きを外旋、Bのように内側へ回す動きを内旋という

とくにお仕事でのデスクワークやスマホを見る時間が長い方は、日常生活が原因で巻き肩(猫背)になってしまって、肩やひじが持ち上がっている状態になっているので、外旋がどんどんできなくなってしまいます。

こうなると、楽な方向の内旋の動きでクラブを持ち上げてしまうため、肩が浮いてひじが外を向いた状態のカット軌道でクラブが下りてきてしまうのです。関節の可動域は狭かったり、広かったりと個人差がありますが、大切な共通点は体の使い方です。可動域が狭くて、スウィングが小さくても腕の動きが少しでも、外旋運動をしていれば良い動きとなります。内旋方向に腕が動いてしまうと、悪い動きになってしまうので注意しましょう。

猫背や巻き肩になってしまうと、右腕の外旋がしづらくなる。結果、内旋が起こり、右ひじが外側を向いてしまう

プロの場合は可動域が広いので大きなトップになりますが、体が硬い方は可動域内での限界まででトップの位置を終えたほうが、クラブは良い軌道を通ってナイスショットとなります。

カット軌道の方はスウィング中、右わきが開きやすいことが特徴です。そんな方は右わきの後ろ側にヘッドカバーやグローブを挟んでスウィングを行いましょう。 

実際にスウィングしてみると、窮屈でコンパクトなスウィングに感じますが、強制的にわきの開きが抑えられるので、ひじが下を向いて正しい軌道を確保しやすくなります。この練習は、素振りだけでも効果的です。

右わきに物を挟まない練習では、ご自身の可動域でシャフトプレーンに乗せることができる振り幅を見つけてボールを打つように心がけましょう。ぜひ参考にしてください!

右わきにヘッドカバーやグローブを挟んだ状態でスウィングしてみよう

大谷奈千代

1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月2日号より