岩井姉妹、河本姉弟、ホイガード兄弟…「ライバルとして切磋琢磨できる」のが強み!【強いきょうだい大研究】<前編>
週刊ゴルフダイジェスト
岩井姉妹や河本姉弟、ホイガード兄弟など、近年きょうだい揃って活躍する選手が増えている。かつては近くて遠い存在などと言われもした「きょうだい」だが、同じ競技を行うメリットとデメリットは? 選手たち本人と識者たちに話を聞いた。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Yasuo Masuda

- 岩井姉妹やホイガード兄弟など、近年“きょうだいゴルファー”の活躍が目覚ましいが、きょうだいとも活躍できるのは、親やコーチなど、周囲の環境も大きい。伸びるきょうだいの共通点について、識者たちに話を聞いた。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Yasuo Masuda 岩井姉妹の下の弟・光太(日大3年)も昨年ナシ……
ライバル心はメリット
比べられるのは嫌!
日本で開催されたPGAツアー、ベイカレントCレクサスに出場していたニコライ(兄)&ラスムス(弟)のホイガード兄弟。特に遠目からだとどちらか判断できない。
「とにかくどっちがどっちか誰も見分けてくれない。それで得をしたと思ったことも損をしたと思ったこともありません」(ニコライ)
白いキャップはニコライ、黒いキャップはラスムスと心にとどめて取材開始。メリットとデメリットを聞くと、「一番のメリットはゴルフに熱中する同じ歳のライバルがいること。一緒に練習して高め合えるのがいい。デメリットは常に比較されること。普通の兄弟も比較されると思うけれど、双子だと特に『お兄ちゃんはこうなのに』『弟はこうなのに』と比べられるのが嫌」と2人とも同意見。
両親は、片方が上手くプレーして、片方が上手くいかなかったとき、辛い思いをしていたと言う。
「ジュニア時代に参加した試合で良い成績を出したほうが帰りの車で助手席に座れるというルールができた。結果がはっきりと出る競技なので、上下がはっきりわかる。それに対処する家族のルールが長年かけて構築され、今ではお互いを支え合うようになれたんです」
本人たちだけでなく両親とともに、話し合い、工夫をすれば、ますます信頼が深まり高め合えるようだ。
イガードツインズを直撃!

以前、河本結・力姉弟に話を聞いたとき2人ともに「めっちゃゴルフの話をしますし、何でも話をします」と答えてくれた。中学生頃まではケンカもよくしていたというが、今は大の仲良し。お互いの存在を「友だちですね。両親には『私たちは必ず先に死ぬから、そのときは姉弟しかいない。絶対に仲良くしなさい』と事あるごとに言われました。2人で助け合いなさいと」(結)。「僕にとって結は、一番身近な先輩プロとして尊敬できる存在でもあるので、ゴルフのアドバイスもきちんと素直に聞く。自分をアゲてくれる人です」(力)




元祖・ゴルフ最強3兄弟
尾崎将司・建夫・直道
113勝を挙げたジャンボ尾崎を筆頭に、15勝の健夫、32勝の直道。皆がそれぞれ個性を持って活躍したことは珍しいかもしれない

日本オープンでも発見!
将来有望な兄弟プレーヤー
先日、日光CCで開催された日本オープンでも兄弟選手を取材。共通するメリットは「身近なライバル的存在」「切磋琢磨できる」こと。デメリットは「比べられること」だと話す。

長﨑煌心・大星兄弟
アマチュアながら予選を通過した長﨑兄弟。メリットは?「情報が2倍になる。同じ数、同じような舞台で試合するので、その経験も2人で話し合える点では大きな力に」(煌心)。「身近に競い合える人がいるというのが一番」(大星)
デメリットは?「よく比べられるので、それはモチベーションにはなるけど、ちょっと意識してしまう部分」(煌心)。「GCクワッドやトラックマンを2人で共有しないといけない。また、会場が遠いと一緒に行くので、スタートが違うときはどちらかに合わせないといけないこと」(大星)
母は語る。「兄弟で切磋琢磨しながらできることがメリットです。日常生活でもお互いに刺激を与えながらやっています。デメリットはお互いがライバルなので負けたくないという気持ちがあり、体のケア用品なども1つしかなく譲り合いながら使っていること。2人は性格が全然違うので調整が難しい。弟は時間にうるさく早く来てさっさと終わって次の日の準備をしたいタイプ。兄はマイペースで時間さえあれば十分練習に使いたいタイプです」。両親の“理解”こそ、2人をさらに強くするモトとなる。

福住将・修兄弟
弟・修はACNツアーで1勝。日本オープンでは兄・将が弟のキャディを務めていた。メリットは?「兄弟がいることでライバル関係が生まれ、負けたくないという気持ちになれること。一番近い存在だからこそ、そういう気持ちになれる」(将)。「近くにライバルがいるので切磋琢磨できること」(修)。
デメリットは?「他の人から比べられることが多く、自分の結果が出ないときに相手は結果を出しているという状況が精神的に辛いことがある。強い気持ちに変えられる人にとってはメリットになるけど、僕の場合はデメリットに近い感じです」(将)。「やっぱり比べられることが結構ある。双子なので同じ進路を行くと大体同じ試合にも出る。すると比べられてしまうので、そこでどちらかが成績が良かったり悪かったりすると、周りから意見を言われて、ちょっとやりづらいところはある。お互い頑張っているんです。内容が良かったとしても最終的には結果なので、それで判断されるというのはすごく残酷なスポーツ。そこはお互いに少し思うところはあります」(修)
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- 岩井姉妹やホイガード兄弟など、近年“きょうだいゴルファー”の活躍が目覚ましいが、きょうだいとも活躍できるのは、親やコーチなど、周囲の環境も大きい。伸びるきょうだいの共通点について、識者たちに話を聞いた。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Yasuo Masuda 岩井姉妹の下の弟・光太(日大3年)も昨年ナシ……
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月11日号より


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