【ドライバーで“ライン出し”】<前編>飛ばそうとするから曲がる。「体を回そうとしすぎていませんか?」
週刊ゴルフダイジェスト
狭いホールや曲げたくない状況で役に立つテクニックが「ドライバーでのライン出し」。ただ置きにいくのではなく、しっかり振りつつコントロールしていくショットだが、どうすれば打てるのか。「Z打法」の若林功二プロに話を聞いた。
PHOTO/Yasuo Masuda、Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto THANKS/東名CC


解説/若林功二
1979年生まれ。2008年、父・若林貞男氏から継承した、飛ばしのスウィング理論「Z打法」をやさしくひも解き、悩めるアマチュアの技術向上に努めている。現在、都内にてレッスン活動中
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ドライバーでも
重要なのは方向性
「ライン出し」というとアイアンをイメージするアマチュアは多いだろう。ドライバーでライン出しをする意味とは何か? アマチュアの指導経験が豊富な若林功二プロは、
「そもそもゴルフは、狙ったところにボールを運ぶゲームです。ですからドライバーであってもボールコントロールは不可欠です。アイアンやウェッジと同様、ドライバーもコントロールショットするクラブなのです。ところが、アマチュアは、ドライバーは飛ばさなきゃと考えがちで、そうなればボールは曲がり、スコアを大きく崩してしまう。そういうアマチュアをたくさん見てきました。
スコア90〜100台のアマチュアが80台を目指すのであれば、ドライバーのOBは絶対に避けたいです。つまりドライバーは飛距離より、方向性のほうが大事なことは明らかです。最低でも2打目が打てる場所にボールを運ぶこと。これができれば、ベスト更新も見えてくるはずです。
そこでおすすめしたいのが、方向性重視の『ライン出しドライバー』です。これはドローやフェード、カット打ちなどと同じ、テクニックのひとつです。ドライバーが大きく曲がる、ミスヒットが多いというアマチュアにこそ、ハマるワザだと思います」

OBは絶対避けたい
「スコアメイクにおいてドライバーのOBは絶対避けたいミスのひとつ。日本のコースはOBが多いですし、フェアウェイの幅も狭いです。そんな状況ではライン出しドライバーが役立つんです」
中弾道のストレートボールをイメージ
「ライン出しというとパンチショットのイメージもありますが、止めようとはせずにしっかり振り切ることが大事です。打ち出しはやや低めで、狙ったラインに乗せていくイメージを持ちましょう」
体を回そうとしすぎると
振り遅れる
ドライバーの成否はスコアに直結するものだが、そのミスの9割が振り遅れだという。「アマチュアは、ほぼ振り遅れです。そうなればスライスするか、それを嫌がって本能的に手を返し、チーピンになるパターンがほとんどです。しかもアマチュアは、振り遅れに気づいていないのです。
では、どうして振り遅れるのか? 簡単に言えば、飛ばそうとして体を使いすぎているんです。体で飛ばそうとしているわけです。ドライバーは当たれば飛ぶクラブですから振り回すほど、ミート率は下がり、ミスするだけです。ここで重要なのが、体を回しすぎてしまうことなんです」
体の回転はスウィングに必要なことではないのか?
「クラブを振る以上、体の回転は必要です。ただ、意識して体を回すと絶対に振り遅れます。体を回すほど、手が置き去りになる(ヘッドが遅れる)からです。ゴルフはターゲットにボールを打つため、右から左へ体は動いていくものです。野球のピッチングと同じですが、それを体の回転という動きでやるから振り遅れるのです。そこでZ打法の動きがカギとなります。Z打法は体を回しませんから」
曲がる原因①
飛ばそうとして軸がブレる

「飛ばそうと思うほど、体は大きく動きます。すると軸は左右にブレ、ミート率も下がります。ドライバーは勝手に飛ぶクラブです。自分ではなく、クラブに仕事をさせるくらいの意識が必要でしょう」
曲がる原因②
体を回そうとしすぎて振り遅れる

「ドライバーはマン振りや強振しがちです。体は回せば回すほど、手元が置き去りになり、ずっと振り遅れ状態になります。こうなるとミスにしかなりません。スウィングに必要な回転を体を回さずにできるかがカギ」
曲がる原因③
置きにいこうとして緩む

「プロはボールをフェアウェイに置くショットができますが、アマチュアがそれをやると緩んでミスするケースが多いです。曲げたくないけど、飛ばしたい。その2つを叶えられるのがライン出しなんです」
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週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号より


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