【ゴルフジム】「ドライバーは右､アイアンは左…と球筋が安定しません」

ゴルフジム

2025.09.21

KEYWORD ドライバー方向性アップ青山裕美

読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「ドライバーが右に飛ぶことが多い」というもの。その解決法とは?

PHOTO／Yasuo Masuda　TEXT／Daisei Sugawara　THANKS／江連忠ゴルフアカデミー（ETGA）東京校

教える人／青山裕美

あおやま・ゆみ。71年生まれ、東京都出身。95年から江連忠に師事し、09年、JLPGAティーチングプロA級を取得。個性を重視し、結果が出せるポイントを的確に把握して指導する手腕に定評がある

＜今週のお悩み＞
「ドライバーは右､アイアンは左と
球筋が安定しません」

伊藤未散さん（身長165cm／ゴルフ歴2年／ベストスコア97／平均スコア107）
切り返し直後に、やや上体が目標方向に流れているのが気になるところ。流れるときと流れないときがあるとすると、それだけでクラブ軌道がだいぶ変わってしまう。また、フォローで目線が上がるのがやや早い

伊藤　ドライバーは右に飛ぶことが多いです。

青山　伊藤さんは、クラブを振る感覚はとてもいいと思います。ただ、いい軌道を通って下りてくるときと、そうでないときの差がかなり大きい印象です。ドライバーみたいに長いクラブで軌道がよくないと、フェースが開いて右に出やすくなります。

伊藤　顔を上げるのが早いと言われたりします。

青山　そのクセはありますね。でもその手前の段階で、上体が目標方向に流れることのほうが問題は大きいです。たとえば、クラブで重いものを叩くとしたら、頭（上体）は右に残したままになるのが普通ですよね。それに、叩くまでも叩いたあとも、対象物（があったところ）をずっと見続けると思います。ちょっと、インパクトバッグでやってみましょう。

「いい軌道のときと
そうでないときに差があります」

ダウンスウィングで下半身と一緒に上半身も目標方向に動いてしまう（写真左）。動く距離が長くなるほど、フェースが開いて右に飛びやすい。また、フォローで目線が早く上がる場合も右に飛びやすくなる（写真右）

伊藤　確かに、上体が流れたら強く叩けないですね。叩いたあとも目線は上がらないです。

青山　実際のスウィングでは、切り返しのときに右足を軸にして回るイメージを持つと、上体が流れにくいです。トップでは右足に体重が乗っているはずなので、インパクトまではそのまま右足軸で回るイメージですね。それでしっかりボールを叩ければ、フォロー以降は勝手に左に乗っていけます。

伊藤　インパクトの感覚が、今までとかなり違います。かなり強く当たって、長く「押せる」感じになってきました。

これで解決！
「右足軸で回るイメージで
　上体を左に流さず振ろう」

対象物を「見続けて」叩く

インパクトバッグなど少し重いものを叩く場合、頭は勝手に右に残る。また、ヘッドが当たるまでバッグから目線が外れず、叩いたあとも同じところを見続けるのが自然

ヘッドにしっかり力が伝わる

頭が右に残ることで、ヘッドの先端に力が集中する。ちょうど、ハンマー投げの選手がハンマーをリリースする直前、体を反対側に倒しているのと同じ原理

Point 1
上体を右に残してインパクトする

ヘッドがインパクトポジションに戻るまで、上体を切り返した位置にキープするイメージで振る。上体が右に残ることで、インパクトまでのヘッドの移動距離が長くなり、その分、フェースが返る時間を稼げる

Point 2
右肩を前に出さずに切り返す

切り返しでは上体が左に流れないことと同時に、右肩が前に出ないように注意する。右肩が前に出ると、その時点でカット軌道になる。右肩を我慢すると手が真下に下り、インからクラブを下ろせる

Point 3
右足を軸にして回転するイメージ

切り返し直後は、体重が乗っている右足を軸にして回るイメージを持つと、上体が目標方向に流れにくい。それでも体は左に動こうとするので、最終的には左足に乗った状態で回転できる

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月30日号より