Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【飛び女に聞いたHSアップ術】#2「“お尻”をしっかり回してください」

【飛び女に聞いたHSアップ術】#2「“お尻”をしっかり回してください」

JLPGAティーチングプロA級の資格を持ち250ヤード以上飛ばす3名に、ヘッドスピードアップのコツについて聞いた。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara THANKS/千葉国際CC【PGM】、木更津GC

髙橋 清

たかはし・せい。型にハメすぎずその人に合ったスタイルを教えるのがモットー。悩みすぎたりネガティブな感じは苦手なので、お客様との時間も“いつでも楽しく”が基本。「お客様がレベルアップするのを見るのが好きです!」 インスタ @sayhoo_gram

お尻をしっかり
回せていますか?

スウィングは回転運動だから、回転速度が上がれば、それがヘッドスピードにも反映されるはずだが、一体どこを回せばいいのか。

「プロとアマチュアの一番の違いは『お尻』がしっかり回っているかどうかです」と言うのは、髙橋清プロ。わかりやすいのは、スウィングを(飛球線)後方から見た場合で、プロはインパクトの時点で左のお尻が見えるくらい回転しているが、「アマチュアのほとんどは左のお尻が見えません」と髙橋プロ。

インパクトまでに左尻を十分に回せないと、腰の前に手を振るスペースが確保できないため、伸び上がりなどの代替動作によってフェースが開いてしまう。また、テークバックでもお尻の回転は重要。

「テークバックで(右の)お尻が回せないと、切り返しの回転スピードが出せないので、必然的にクラブも振り遅れます」

お尻をしっかり回せると…

下半身から動ける

テークバックで十分に右尻を回転させられていると、切り返しではそれを巻き戻すイメージで左尻の回転につなげやすくなる。結果として下半身から動きだすことができ、理想的な「運動連鎖」が起きやすくなる

地面の力を活用できる

ダウンスウィングで左尻が回転しない状態で左足が伸びると、単に骨盤が持ち上がるだけだが、回転状態で左足を伸ばすことで、地面からの力を回転速度アップにつなげられる


清’s 250Yスウィング

速く上げるほど
速く下ろしやすくなる

以前は、テークバックは「ゆっくり、丁寧に」というレッスンも多かったが、最近は「飛ばしたければテークバックも速く」というのが主流になってきている。

「私自身もテークバックはかなり速いですが、速く上げることでスウィングに勢いが付いて、切り返し以降も速くなるという実感があります。大事なのは、速くするのは手じゃなくてお尻ということ。そのためにはアドレスが重要で、お尻が上から引っ張られている感じで、重心を高くするのがポイントです」

Point 1
テークバックは勢いよく上げる

テークバックは右尻を真後ろに引くようにして、その場で骨盤を回転させる。ここでの回転スピードが、切り返し以降のスピードにも反映される。骨盤が回ると、その上にある上体は勝手に回転するので、無理に手を上げようとしなくても深いトップができる

Point 2
切り返しで左尻を後ろ突き出す

切り返しのときに、テークバックの回転速度を落とさないように、左尻を後ろに突き出すようにして瞬時に回転させる。誰かに左尻を後ろに引っ張られている、あるいは、キャディバッグなどに勢いよく左尻をぶつけるイメージ

Point 3
右足はフォローまで我慢

アマチュアは左尻を回そうとして、うまくいかずに横ずれになってしまうことが多い。インパクトを過ぎても、右足を「ベタ足」のままキープするような意識を持ちつつ、左尻を回すと、軸をずらさずにその場で回転しやすい

Point 4
ダウンスウィングで左ひざを伸ばす

左尻(左腰)が回転するのとタイミングを合わせて左ひざを伸ばすことで、すでに回転を始めている左尻の速度が一気に上がる。左ひざが伸び切らないと地面からの力をお尻の回転に変換できない

Drill
左足踏み込み素振り

トップで左足かかとを浮かし、切り返しでそれを下ろすと同時に左尻を後ろに引いてクラブを振り下ろす。左足かかとに体重をかけることで、左にスウェイする動きも抑えられ、地面からの縦方向の力を利用する感覚もわかる

月刊ゴルフダイジェスト2025年9月号より