日本にもあった! “全英”気分が味わえるリンクス風コース14選
週刊ゴルフダイジェスト
全英オープンを見ていると、つい「あんなリンクスでプレーしてみたい」と思うもの。そこで今回は、日本で味わえる“リンクス風のコース”を厳選してご紹介!


解説/川田太三
日本ゴルフコース設計者協会特別顧問、元日本ゴルフ協会特別顧問。設計・監修したコースは40を超え、海外のメジャーでは競技委員も務めた。米国ゴルフダイジェスト誌『世界のベスト100コース』選定委員
毎年、全英オープンでの激闘を見るたびに、リンクスへの挑戦意欲をかき立てられるゴルファーも多いだろう。とはいえ円安の状況で、スコットランドやアイルランドに行くのはなかなか簡単ではない。そこで目を向けたいのが日本でリンクス気分が味わえるコースだ。全英オープン開催コースを何度もラウンドし、リンクスへの造詣が深い川田太三氏に話を聞いた。
「日本のリンクスといえば、河川敷ですよね。水に近く、視界が開けていて、さらに風が強いという意味でリンクスと似た部分があると言えます。一方、海が近いコースも日本には多くありますが、規制の関係上、防風林を植えなければならないため、リンクスというよりシーサイドコースと言ったほうがしっくりくるコースが多いですね」(川田氏・以下同)
一方で、本場スコットランドのリンクスはどのようなものなのか。川田氏は「自然のまま」というキーワードでその特徴を語る。
「本場のリンクスコースは自然が生み出した地形をそのままコースとして利用している節があります。例えばクラブハウスなんかもコース側にとんでもなくでかいクラブハウスがドカンとあるのではなく、土手を挟んだ内陸側にあったりするんです。そういうふうに自然の条件に適応するようになっていると感じます。そういった観点で日本のコースを見てみると、人工的に造り込んだコースより、できるだけ自然のまま、素朴に造ったコースのほうが、より“リンクス風”に感じられますね」
そんな川田氏にオススメの日本のリンクス風コースを教えてもらった。
「新潟県にある日本海CCは、割と海が近く、造り込みすぎずに素朴に造られている印象を受けました。それから古河ゴルフリンクスとGC金沢リンクスは、同じように人工的になりすぎないように配慮がされていると聞いてぜひプレーしてみたいと思っています」
日本で味わえる“リンクス風コース”14選
稚内CC(北海道)

海からの強風吹きすさぶ日本最北のリンクス
稚内空港を見下ろす丘陵地にあり、さえぎるものなくどこまでも続くロケーションが魅力。海風との闘いが待っている。
●18H・6354Y・P72 ●稚内空港より1.5キロ
小樽CC旧コース(北海道)

長い歴史を誇る9ホール
北海道のゴルフの歴史が詰まった手造りのリンクス。自然の形が生かされ、北の大地との調和を体感できる。
●9H・3116Y・P36 ●札樽自動車道・銭函ICより2キロ
夏泊ゴルフリンクス(青森県)

強い東風“やませ”がスコットランドを思わせる
陸奥湾に突き出た夏泊半島に位置し、三方を海に囲まれたコース。深いブッシュのラフなどコースの景観はもちろん、春から夏にかけて吹く、冷たく湿った「やませ」という東風が冷たい海霧を発生させることもあり、その気候も本場さながら。国内男子メジャーの開催実績も。
●18H・7210Y・P72 ●東北自動車道・青森東ICより26キロ
日本海CC(新潟県)

ありのままの地形を生かして造られている
日本海から程近く、赤松に覆われた砂丘に広がる27ホール。海からの風や自然のままの適度な起伏など、その土地の特性が生かされた造りで、“リンクスの精神”が宿るコースに。
●27H・10393Y・P108 ●日本海東北自動車道・荒川胎内ICより3キロ
古河ゴルフリンクス(茨城県)

渡良瀬川沿岸に広がる“河川敷リンクス”
よくある河川敷コースに比べてハザードの配置などが本場のリンクスを彷彿とさせるコース。広いフェアウェイは微妙なアンジュレーションがついているためティーショットの落としどころには注意が必要。ベント芝でやや大きめのグリーンは、ほとんどが2段で本場さながらのパッティングクオリティが求められる。
●18H・7216Y・P72 ●東北自動車道・加須ICより15キロ
新・西山荘CC(茨城県)

ピート・ダイ設計のダイナミックな造形が魅力
左側にバンカーが連なる6番パー4やグリーン周りにポットバンカー群がある13番パー4など戦略性を要するリンクス。
●18H・7004Y・P72 ●常磐自動車道・日立南太田ICより12キロ
新君津ベルグリーンCC(千葉県)

丘陵を見晴らす内房総のリンクス
なだらかな丘陵に造られた景観豊かなコース。難易度が高い14番~16番「アーメンコーナー」は“一遊の価値”あり。
●18H・6826Y・P72 ●館山自動車道・君津ICより10キロ
若洲ゴルフリンクス(東京都)

東京の摩天楼を望む都心のリンクス
川田太三と岡本綾子が手がけた東京湾にある都会のオアシス。都内在住・在勤者のみ予約でき、抽選制となっている。
●18H・6970Y・P72 ●首都高速湾岸線・新木場ICより3キロ
伊豆ハイツGC(静岡県)

伊豆高原に広がる“山の上のリンクス”
富士山の景観とリンクスの雰囲気が堪能できるコース。大きさの異なるマウンドやグラスバンカーが配されたアウトと、木々によってホール間がセパレートされたイン、それぞれが違った表情を見せ、変化に富んでいる。
●18H・7223Y・P72 ●伊豆スカイライン・冷川ICより11キロ
GC金沢リンクス(石川県)

日本海と白山連峰を望む絶景のリンクス
7万平方メートルに及ぶウォーターハザードにより池の絡まないホールは5ホールのみと、正確なショットが要求される18ホール。白山連峰、海岸線の先には能登半島、日本海を走る船など、ここでしか堪能できない“日本式リンクス”の景観が広がる。
●18H・6803Y・P72 ●北陸自動車道・金沢東ICより7.5キロ
JFE瀬戸内海GC(岡山県)

風の攻略がカギ! 多くの公式競技を開催
人工島に浮かぶ本格的なリンクス。全英OPの出場権を懸けた国内男子ツアーの「ミズノオープン」開催コースでもある。
●18H・7007Y・P72 ●山陽自動車道・笠岡ICより13キロ
水島ゴルフリンクス(岡山県)

5番パー4からは壮大な瀬戸大橋を一望
瀬戸内海の美しい景色を見渡せるコース。18番にはL・O・V・Eの形の4つのガードバンカーがあるなど遊び心も◎。
●18H・6873Y・P72 ●瀬戸中央自動車道・水島ICより15キロ
パサージュ琴海アイランドGC(長崎県)

国内メジャー3回開催 リゾート併設のリンクス
大村湾に面した半島にあり3つの海越えホールを有するなど、珍しいレイアウトが特徴。戦略性と飛距離も要するコース。
●18H・7107Y・P72 ●西九州自動車道・佐世保大塔ICより41キロ
ザ・サザンリンクスGC(沖縄県)

美ら海を臨む“東洋のぺブルビーチ”
雄大な太平洋を望む断崖絶壁の上に広がり、シーサイドのアウトと池やクリークが配置された内陸部のインから成る。沖縄の豊かな自然や海越えショットなど南国気分とリンクス気分の両方が味わえるのも魅力。
●18H・7044Y・P72 ●那覇空港より15キロ
週刊ゴルフダイジェスト2025年7月29日号より
※水島ゴルフリンクスの写真が誤っておりました。お詫びとともに訂正いたします


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