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【スウィング研究】星野陸也「下半身と“首”の動きでスピードを生む天賦のスウィンガー」

日本ツアーで通算6勝を挙げ、2023年から欧州ツアーに挑戦。昨年のカタールマスターズでは、日本人史上4人目となる欧州ツアー初優勝を果たし、今年からPGAツアーに参戦する星野陸也。その活躍を支えるスウィングの特徴について、合田洋プロが解説。

解説/合田洋
PHOTO/Blue Sky Photos 撮影トーナメント/ソニーオープン・イン・ハワイ

マキロイやフリートウッドと同じ
“首”の使い方

欧州ツアー挑戦2年目となった昨年、2月に行われたカタールマスターズで2位に1打差をつけて欧州ツアー初優勝するなど活躍し、最終的にポイントランキングで16位に入り、有資格者を除くランキングトップ10の資格で今季のPGAツアー出場権を獲得した。その初戦となったソニーオープン・イン・ハワイ練習日のドライバースウィングを合田洋プロに解説してもらった。

「彼の特徴は何といっても顔の動き、首の振り方です。動作の先を向いて首から振っていくスウィングです。首を振る動きは元来、腕を振る動作を考えると自然な動きで、野球の投手も首を止めたまま投げる選手はいません。ゴルフでいえば、ローリー・マキロイやトミー・フリートウッドはテークバックで顔が右へ向いていく代表例。この動きを生かすことで左肩を低く保つことができ、インパクトで体が浮かなくなります。


ただし、星野選手の場合、インパクトでマキロイやフリートウッドが右に頭を傾けているのに対してアドレスと同じ真っすぐな位置に頭を戻してしまいますが、そのままでは体が浮いてしまう。それを抑えるためにダウンスウィングで手元をテークバックよりも外側を通すようにしているのでしょう。とはいえ、この一連の動きは身に付けにくく、天性の才能の持ち主だとも言えます。

首のリードと下半身リードのバランスによって、フィニッシュでバランスを崩すことが多いのですが、スウィングの“よどみ”が取れれば、フィニッシュの体勢もよくなるはずですし、もっと狙った球が打ちやすくもなるはず。

彼は下半身でスピードを上げられて首の動きも使えるので、身体能力が高いのは明らかで、飛距離も出せます。まだまだ改良の余地はありますが、そのぶん伸びしろも大きいスウィングです。海外で揉まれながらブラッシュアップさせていき、今後、大活躍してくれることに期待したいです」

星野陸也の1Wスウィング(正面)

星野陸也の1Wスウィング(後方)

週刊ゴルフダイジェスト2025年2月4日号より