【名手の名言】デービス・ラブⅢ「自分が前へ進めば、楽しいことも辛いことも後ろへ過ぎ去る」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はツアー通算21勝を挙げ永久シードも持つレジェンドデービス・ラブⅢの含蓄のある言葉をご紹介!
自分が前へ進めば
楽しいことも辛いことも後ろへ過ぎ去る
人生は決して止まらない
デービス・ラブⅢ
デービス・ラブⅢは、アメリカを代表するプロゴルファーであり、PGAツアーの歴史に名を刻む名選手だ。優れた技術と安定したプレーで知られ、キャリアを通じて多くのタイトルを獲得している。その親しみやすい性格とゴルフへの真摯な姿勢から、世界中のファンに愛されているラブⅢは2012年と2016年にライダーカップのキャプテンを務めた経験がある。
その初キャプテンを務めた2012年のライダーカップのことである。最終日に欧州チームに大逆転をくらい意気消沈の休養をとっていると思いきや、次週のフォールシリーズ1戦目、シュラーナイズホスピタル・オープンにラブⅢは顔を見せた。
傷心のラブⅢを慮ってか、誰も声をかけない。あるライターが話しかけると、ラブⅢは静かに語り出したという。
「ライダーカップからすぐここに来たのは、キャプテンからプレーヤーへ、ぼくの日常へ早く戻りたかったから」という語りに続いて、表題の言葉が紡がれたそうだ。
敗戦からの立ち直り方を、若い人に自ら示しているようだと、そのライターはレポートしていた。
いかにも真摯に前向きに物事を見つめるラブの人柄が滲み出ている言葉である。これはゴルフだけの名言ではないだろう。
■デービス・ラブⅢ(1964~)
ノースカロライナ出身。プロゴルファーである父、ラブⅡの薫陶を早くから受け、ノースカロライナ大学でもその才能を発揮。85年プロ入り。ツアーで96年までに10勝を挙げたが(92年賞金ランク2位)メジャーへはなかなか手が届かなかった。95年マスターズ2位、96年全米オープン2位。しかし97年全米プロで、2位に5打差つける圧勝で一矢報い、トッププロの座を不動にした。優勝のパットを沈めた時、天国の父親が祝福するように、空に大きな虹がかかったというエピソードは語り草。98年日本での中日クラウンズでも優勝。その後、紆余曲折ながらツアー通算21勝を挙げ永久シード獲得