【PGAツアーエキスプレス】Vol.43 マーベリック・マクネリ「これほどまでに“チーム”を感じたことはなかった」
ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第43回は、「RSMクラシック」で初優勝を挙げたマーベリック・マクネリについて。
PHOTO/Getty Images 取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)
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不調から脱出
24年シーズンの最終戦「RSMクラシック」でPGAツアー初優勝を飾ったマーベリック・マクネリ。彼は統計担当者やキャディの弟、スウィングコーチ、理学療法士、マネジャーなど15名ほどのスタッフを抱えツアーを戦っている。とてもチームワークを大切にする選手なのだ。
「思い出といえば家族に関すること、チームに関することばかりだ。学生の頃、チームの一員としてプレーしていたことが懐かしい。そして今年は、これほどチームとして戦ったと実感したことはなかった。それこそ、最終戦で勝てた最大の要因だろう」
スウィングコーチのスコット・ハミルトンの存在も大きい。彼は指導する際、最も調子が良かった頃のビデオを見ることから始めるというが、それはマクネリにとっても例外ではなかった。マクネリの指導を始めた2年前、スタンフォード大学最多記録タイの11勝を挙げた頃のマクネリとは別人のようだったと話す。
「どうしてそうなってしまったのかはわからないが、ダウンスウィングでプレーンの下に外れてしまっていた。左肩が極度に上がり、体への負担も大きかったんだ」
案の定、マクネリは昨年左肩の靭帯を断裂、競技からの休養を余儀なくされた。ケガを機にスウィング改造をすることを決断したのだった。
「最初はターフを取ることさえできなかった。すごいダフリになるか、球が上がり過ぎてしまうかのどちらか。でも、ショットさえしっかり打てるようになれば、彼の強みであるショートゲームを生かしてかなり強い選手になることはわかっていた」とハミルトンは話す。
マクネリはアドレスの前傾角を浅くし、以前よりも縦振りでボールを上から叩くようなスウィングに変え、その結果、弾道のコントロールが抜群に上手くなった。
「アイアンショットがとてもいい状態に向かっていたから、すごく前向きになれた。それこそ、優勝に向けて欠けていた部分だったからね」(マクネリ)
迎えた最終戦。すでに来シーズンの出場権を獲得していたマクネリはランクを少しでも上げて出場できる試合を増やすことが目標だった。PGAツアー出場142大会目での勝利がもたらしたものは、マスターズや全米プロ出場など、当初の目標よりも、もっともっと大きなものだった。
弟のスカウトがキャディを務めた
キャディとして経験の浅いスカウトだが、マクネリが説得し続け、キャディを務めてもらったという
かつてはイップスにも…
2018年にはショットイップスに陥った。それでもたゆまぬ努力で克服し、PGAツアーで活躍している
月刊ゴルフダイジェスト2025年2月号より