【大人ゴルフの歩き方】Vol.46「ゴルフ人生第4コーナーへ」
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第46講 ゴルフ人生第4コーナーへ
①ゴルフに夢中で走った35年
②頭の中の半分はゴルフよね
思えばずっとゴルフをやっていた
ゴルフを始めて30数年、人生の9割を、仕事とゴルフとキャバクラに費やしました。いよいよゴルフ人生も第4コーナーに突入です。さあ皆さん過去を振り返り、残りの人生をいかに過ごすか考えましょう。
まずボビー・ジョーンズの言葉「人生での価値はどれほどの財産を得たかではない。何人のゴルフ仲間を得たかである」の感想を少々。これはセレブの理想論です。本音はゴルフ仲間ゼロでいいから財産欲しいっす。
ゴルフはそのものがサバイバルゲームでした。幾多の仲間と知り合い、同じような数だけ仲間が脱落し、今いるのは、わずかなゴルフ生き残り組というわけ。途中リタイアしたゴルフの戦友に合掌です。
今後は自分の予算と時間で自由に振る舞いましょう。友達の少ない人はひとり予約、クラブライフ重視はホームコース通い、あるいはパアーッと財産を使って、世界名コースの旅漫遊記をやるとか。その時は、随行員として誘ってください。間違ってもエージシュートは狙わないように、あれは長生きをしていれば、オマケで付いてきますから。
●人生の9割
人生は仕事して飲んでゴルフして疲れて、また起きて仕事しての繰り返し。あ~今月乗り切ったと安堵し、気付くとジジイになっていた
●ゴルフ仲間ゼロ
いい出会いもあったけど、しょうもない出会い、あるいはけんか別れ、はたまた消えた人も結構いますね
●漫遊記
この円安時に海外の名門コースに行ける人は、勝ち組。セントアンドリュース・オールドコースの確実ラウンドツアーは、3ラウンドで100万円ほどだそう
●エージシュート
エージシュートは長生きして健康ならば、ほぼ達成できます。だからゆっくり待ちましょう
あと10年しかゴルフができない?
さて皆さんのゴルフライフはどんな感じでしょうか。ラウンド前はスケジューリング、準備、練習など結構やることがあります。ラウンド当日は朝から大忙し、そして夜は反省会という名の宴会で大はしゃぎ。後日、ギアのメンテ&入れ替え、備品の補充など雑用もそこそこありますね。
ゴルファーとしての長期的戦略は、飛距離の衰えをどう補うか? アプローチ中心のショートゲーム巧者として生き残る策を模索します。
そしてひとつの問題をクリアした途端、次の問題が発生します。例えばドライバーが絶好調なのに、突然アイアンが曲がり出したとか、1mのパットを外してばかりとかね。アマチュアにありがちなモグラ叩き現象が起きるんですな。だからアマチュアにはゴルフの完成がないのです。
そうやって弱点補強をしていると、今度は自分の体に異変が起こります。何もしていないのに突然腰痛が、腰をいたわり優しく打ったら、コンペで優勝しましたってよくある話じゃないですか。
微妙な病や怪我はどんどん起きます。個人的には外反母趾、リウマチ、網膜剥離、階段から落ちて怪我とかね。疾病や怪我という名の伏兵が自分のゴルフ人生を邪魔しているんですな。
さあ我々の目標となるゴールはどこなんだ? お教えしましょう。それは男性の健康寿命の73歳までゴルフができること。その後は余生です。すでにそこで日本人の平均に勝ったのです。
今後健康寿命が伸びるとして75歳までゴルフができれば十分。それ以降は、暖かい季節や好きなコース限定で、ちょぼちょぼやるがよろしい。いっそゴルフをやめて、散歩のみでもいいかな。
というわけで個人的にゴルフ人生を歩むのはあと10年と読みました。悔いのない人生を送りましょう。
●宴会
今やこっちがメインで、しかも宴会のほうが、体力を消耗し、翌日まで疲れが残るから参る
●モグラ叩き現象
ドライバーがいいとパットがダメ、パットを直すと今度はシャンク。シャンクを直すと、同伴メンバーとオーケー判断でけんかしたりして、問題は尽きない
●生き残る策
飛ばなくなったのに、未だに飛ばそうとするから無理が生じる。飛ばないまま、ショートゲームの技を磨くのが一番
●健康寿命
男子の『平均寿命』は81歳台で、それは亡くなるまでのことを指す。『健康寿命』は体が不自由になる平均値、だからその歳までゴルフができれば十分ってこと
●あと10年
つまり週イチゴルフやっても、あと500回ほどしかラウンドできない。後悔のないように
今月のまとめ
シニア優遇と表彰制度を望む!
長年頑張ったんだから
誰かに表彰されてもいいよね
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2025年1月号より