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米国発の飛ばし理論「Mach3」を矢野東が体験<後編>体の中心を速く回すことが大事なんだ

デシャンボーの飛距離アップにもひと役買ったというヘッドスピードアッププログラム「Mach3(マックスリー)」を矢野東が体験。後編では、受講を終え矢野が気づいたスウィングの要諦について教えてくれた。

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/SURFGOLFERS碑文谷

矢野東 やの・あずま。40歳を過ぎてから大幅なスウィング改造を行いシードに返り咲くなど、真面目で貪欲。ツアー3勝。「FIVE ELEMENTS」マネージングディレクター。今回の体験の模様は「矢野東 GOLF TV」でも視聴できる

>>前編はこちら

  • ブライソン・デシャンボーの飛距離アップにもひと役買ったというヘッドスピードアッププログラムがアメリカから導入された。年齢やスキルにかかわらずHSが上がるということで、ベテランの矢野東が体験受講。飛距離の“伸びしろ”はあったのか? TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/SURFGOLFERS碑文谷 矢野東 やの・あ……

体の中心を速く回すと
動きはシンプルになる

「マック3」のセッションを終えスウィングの大切なことを改めて実感したと語る矢野。

「フォロー側で出力エネルギーを上げるには結局体の中心軸をいかに速く回すかが大事なんですよね。そしてそのためには軸が傾いていたり上半身と下半身のバランスが崩れたりしてはダメ。前傾角を真っすぐ保ちながら、背骨の角度に対して水平に体を回すほうがスピードが出るんです」

アマチュアのアウトサイドインやインサイドアウトスウィングだと中心軸がズレるため速く回らないということだ。

「マック3の良かったところは、重い道具を持って中心軸を速く回そうとすれば動きがどんどんシンプルになること。スウィングが自然と良くなる仕組みになっていますね」


「マック3」を実施済みのデシャンボーのスウィングは、中心軸が速く回る理想的な体の使い方をしている

軸がズレていると回転スピードが出ない

クラブの軌道が偏っている人は軸がズレるため、体の中心が速く回らなくなってしまう

Drill
棒をお腹に当ててハーフスウィング

バットなどある程度の重さがある棒状のものをお腹に当てて、胸の前にキープしたままハーフスウィングを繰り返す。フォロー側でスピードが最速になるように意識しながら振ると、前傾角や軸、軌道が自然に安定していく

フォローでクラブを
“左上”に持っていく

多くのアマチュアはインパクト前にエネルギーが出力されてしまうせいでHSが上がらないが、「マック3」はその出力をフォロー側に持っていくことでHSが上がるというシステム。フォローを意識させるために打席の左後ろの壁に的が設置されている。

「この的を意識して振るとクラブを左上に持っていくことになりますが、これがすごくいい。アウトサイドインで振っている人はクラブが左下に行くし、インサイドアウトの人はターゲットラインに真っすぐ出ていきがち。左上に振ることを意識するとイン-インの軌道になっていきます。ただし手で左上に振らずに体の回転で左上に持っていくことが重要。そうすればHSは速くなるしミート率もアップしてくれます」

打席の後ろの壁の左上に的が設置されている。この的に向かって振ることでイン・トゥ・インの軌道が身に付く

STEP 1
手は体の正面にキープしておく

真っすぐ飛ばすには手やクラブをターゲットラインに真っすぐ出したほうがいいと勘違いし、手元が体から離れていく人が多い。手は体の前にキープして振っていくこと

STEP 2
「イン−イン」の丸い軌道を意識

シャドースウィングや素振りでも、常にイン-インの軌道を意識すること。ボールの先に真っすぐなスティックを置く人もいるが、あまりオススメしない

STEP 3
右肩は高い位置をキープする

とくにドローヒッターはインパクト前後で右肩が下がりすぎて回転が止まってしまい、左上に振れなくなる。右肩は高い位置を保って振るイメージがいい

腕は体の正面をキープ

左上に振るといっても腕を振って体が止まっては意味がない。あくまで体の回転で左上にクラブを持っていくこと

【矢野の気づき】
バックスウィングでも右上に的をイメージするといい

左上の的と同じように、バックスウィング側でも右上に的をイメージすれば、クラブをインサイドに引きすぎたり手で上に持ち上げてしまうことがなくなる

月刊ゴルフダイジェスト2024年11月号より