【大人ゴルフの歩き方】Vol.42 スコア「80台」と「90台」の違いは何だ?
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第42講 スコア「80台」と「90台」の違いは何だ?
①80台を出せたらカッコいいね
②80台を出すのに才能は関係ない
80台ゴルファーを熱心に見ると……
いつも安定した90台半ばのスコアを出している皆さん、ご機嫌いかがですか? 年に2回、春と秋に80台が出たときはボーナスをもらったぐらいに小躍りしますよね。でも頑張れば、毎月80台が出るようになります。じゃ80台と90台の差は何か? 実は大したことないのです、一緒に考えましょう。
彼らは何が違うのか? ドライバーの飛距離の差はせいぜい10ヤードほど。こっちの方向性はやや劣りますが、グリーンは問題なく狙えます。
けれど上がってみると7~8打の差がついているんです。一度、自分のプレーをおざなりにして、80
台ゴルファーのプレーを、そばで追いかけたことがありました。そこで驚くべきことに気付いたのです。
まず80台男は曖昧なショットが一切なし。アプローチは距離、ライ、クラブ選択の迷いなく打ちます。さらにパターへのこだわりは凄まじく、距離やラインを念仏のように唱えます。この粘りがハンパない。キャバクラや風俗に行ってた時の執拗な執着を思い出し、自分にもできないことはないと思いました。なんのこっちゃ。さあやってみましょう。
●ボーナス
年に2回80台が出て喜んでちゃダメ。毎月出すのが当然ぐらいにしないと。要は志の問題ですよ
●上がってみると
よくいるよね、見た目しょぼくてひょろりとして飛ばない人。けど上がると、凄い差をつけられている
●念仏のように
パットは勘と技術。入手したデータでしっかり打てるかが大事
●執拗な執着
決して諦めない精神が、人間を向上させるんだね
80台は頑張れば誰でも出せる
さあ80台計画の開始です。まずやることは戦略と練習、自分の弱い部分の補強です。そこでドライバーの飛距離を伸ばそうとする人は大きな間違い。それをやると時間がかかります。ゴルフは自分の持ってる戦力で戦うべき。たとえ飛距離190ヤードでも、方向性が良ければ十分です。
やはり勝負はグリーン周りとなります。70ヤードぐらいからは、グリーンに乗せたいです。そして30ヤード以内は、しっかり計算してピンを狙いましょう。最初は寄らなくても、何度も試していればできるようになります。個人的にはハーフに1回ぐらい寄りますよ。
30ヤードのアプローチ練習は様々なライから、いろいろなウェッジを駆使して打ちます。つまりドライビングレンジでは、身に付かない技です。だから飛ばなくなったお年寄りはゴルフ場でアプローチ練習ばかりしているのです。いいですか、ドライバーの練習をしている間は、80 台は出ません。
ドライバーはレンジで最後に2~3球打てば良いのです。ドライバーでミスショットをしても、後で取り返しがつきます。ドライバーのミスをリカバリーするのが、アプローチとパターなのです。ここで発想を変えましょう。パー4のホールなら、ドライバーやUTなどを駆使して、2打でグリーン手前30~50ヤードぐらいまで持っていく。勝負はそこからと理解されたし。ピンに近くなればなるほどミスは許されませんよ。あと短い距離の距離感を養うのは大事。それがイコールロングパットの距離感となります。距離測定器は便利ですが、パターを打つとき使いませんよね。だから最初は歩測して距離を把握し、次第にぱっと見たらだいたいの距離がわかるようにしておくべき。
80台達成は正しい練習と実践に反省、その繰り返しですね。
●持ってる戦力
周富徳の家庭用チャーハンは、冷蔵庫の有り合わせの材料で、いかに美味く作るかが腕の見せどころだった。ゴルフも同じ。自分の持ってるクラブの飛距離とショットの確率で戦うのみ
●個人的には
30ヤードはバウンス14度のSWでふんわり上げて、寄せワン狙います。これは何度も練習しました。夏のラフに強く、今の時期重宝してます
●お年寄り
お年寄りがアプローチばかりやるのは、腰が痛いからではない。球筋が決まっているので、これ以上やる必要がないから
●取り返し
アマチュアのゴルフは、ドライバーのミスをセカンドショット以降、リカバリーしていくゲームなり
●ぱっと見たら
人間の直感は大事、達人は見た瞬間にどれぐらいの難易度かわかるようになる
今月のまとめ
結局、80台ゴルファーとの差は
“怠惰”だった。
ちゃんと練習して勉強して
反省していれば
80台なんてすぐ達成できるんですよ。
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2024年9月号より