【夏グリーン】<後編>“順回転”を手に入れる3つのポイントと4つの練習法
芝が長い“夏の重たいグリーン”は、“強く打つ”よりも、転がりのいい“順回転パット”がオススメだという。後編では、詳しい打ち方とパターマットでできるドリルを教えてもらった。
TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Hiroshi Yatabe、Yasuo Masuda THANKS/ETGA東京校
解説/青山裕美
江連忠の一番弟子としてETGA東京校でレッスンを展開。諸見里しのぶや上田桃子、松森彩夏らに慕われる姉貴的存在。ムダがない効率のいいスウィング指導に定評がある
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- 連日猛暑が続くと、芝の保護のためグリーンが短く刈れない。芝が長い“夏の重たいグリーン”はショートしがち。そこで、転がりのいいパットの打ち方を青山裕美プロに聞いてみた! TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Hiroshi Yatabe、Yasuo Masuda THANKS/ETGA東京校 解説/青山裕美 江連忠の一番弟子……
“順回転”のかけ方とは?
夏の重いグリーンは単純に強めに打つことで対処する方法もあるが、それよりも“順回転パット”で対処するほうが、パッティングのタッチを失うリスクが低いという青山プロ。ではその“順回転パット”はどうやって打てばいいのか。ポイントは「ボールの赤道からやや上」を「アッパー軌道でこすり上げる」ことだというが、青山プロに詳しく打ち方について説明してもらおう。
「まずはアドレスです。ハンドファーストにしたくないので、ボール位置は通常よりも若干左に置きます。スタンスは右6:左4で右足に多めに体重をかけ、シャフトが垂直になるようにします。これで、アッパー軌道のイメージで打ちやすくなります」
アドレスができたら、次はストロークのポイントだ。
「いい順回転で転がすときに気をつけることは、インパクトゾーンでヘッドか閉じたり、開いたりせず安定的に動かすことです。そこで重要になってくるのは、右わき腹の動きです。テークバックをゆっくり引いたら、ダウンスウィングは右のわき腹を絞るようなイメージで、テークバックと同じくらいのスピード感で徐々に右わき腹に力を入れていきます。この右わき腹が『逆くの字』になる動きに同調するようにストロークをすること、さらに左手首を折らないように固定することを意識すれば、ヘッドを安定的に動かすことができます」
最後のポイント、順回転をかけるフォローの作り方は、
「右わき腹を『逆くの字』にすると右肩が下がるのでヘッドはフォローで上がり、自然にアッパー軌道になります。ダウンスウィングからの流れは、右わき腹に力を入れ、同調するように上がったパターヘッドがインパクトでボールをヒットしながら上昇します」
順回転をかけるアッパー軌道を身につけるのにオススメのドリルは4つあるという。
「まずは、『ノーテークバック打ち』。フォローだけで打つと、ボールを押し上げる感覚が身につきます。次に、『コイン飛び越えパット』です。いつもよりもやや左に置いたボールを打ち、コインを飛び越すとボールを打ち上げる感覚がつかめます。インパクト位置は赤道よりもやや上です。この位置を把握するには、『大きいボールを打つ』練習だと場所をつかみやすいのでオススメです。最後に『重いボールを打つ』練習は、手先だけでバチンと弾いて打てないので、ゆっくりしたストロークが身につきます」
真夏の重たいグリーンで綺麗な順回転をかけてみよう!
Point 1
シャフトが垂直になるように構える
アッパー軌道で打ちたいので体重配分は右6:左4とやや右足寄りで、ボール位置は左足寄りで構える
Point 2
右わきを“逆くの字”にする
右肩が下がるので自然にヘッドが上がり、アッパー軌道になる
Point 3
手首を固定してボールをこすり上げる
右わき腹を折り曲げると持ち上がるヘッドを左手甲で固定し、フェースでこすり上げ、上に向けて高く、長いフォローを出す
「順回転パット」が身につく4つのドリル
Drill 1
ノーテークバック打ち
テークバックをとらずに、ヘッドをアドレスの位置からフォローだけでボールを転がす。球をこすり上げる感覚が身につく
Drill 2
コイン飛び越えパット
Drill 3
大きいボールを打つ
Drill 4
重いボールを打つ
ゴルフショップなどに置いてある通常のボールより重い練習用のボール(約100g)を使ったドリル。ボールが重いので手先でインパクトできず右わきを『逆くの字』にして打つことが身につく
週刊ゴルフダイジェスト2024年8月6日号より