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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.128「ドライバーに過度な期待をしすぎですよ」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ティーイングエリアで考えることって何? おそらく、アベレージゴルファーの多くが、どうすればドラ
イバーがナイスショットするかを考えるだろう。アドレスをこうして、トップをこうして……と各々の課題を反芻しながらショットする。がしかし、思うように当たらずイメージと現実のギャップに落胆する。それ、期待しすぎだから~!

ドライバー至上主義の人ってほんと多いよね。もちろんドライバーが芯を食えば気持ちがいいのはわかる。でも、それだけでしょ。残り150Yから打つより100Yから打つほうが理論上は簡単かもしれないけど、実際はどうかな? もし、150Yのクラブのほうが得意なら、そっちのほうがいいわけだし……。

というわけで、ボクがティーイングエリアで考えるのはドライバーのことではなく、2打目や3打目のこと。例えば、パー5で距離的に2オンは難しいなと判断したら、3打目はどう攻めるのが最善かな~、とか。だって、ドライバーが飛んでも50Yのアプローチを失敗したら意味がない。でも、ドライバーが飛ばなくても、アプローチがうまくいけばパーはとれる。そう考えると、ドライバーなんてものは、テキトーでいいのだ。

そもそも、難しいクラブだしね。長くて当てるのも大変、コントロールも難しい。だから過度な期待はしない。これに限る。

「超真剣に打ってラフに入れる」
「適当に打ってラフに入る」

結果が同じラフなら、精神的ダメージが少ない後者のほうがいいよね。

ドライバーは、力を抜いてテキトーに打つくらいがいい。気合を入れて飛ばしても、次打でミスをしたら元も子もない。飛距離を出すことがすべてではない

「日本アマチュア」や「日本ミッドアマチュア」に出る、いわゆるトップアマと呼ばれる人は、意外かもしれないけど、結構ボクみたいな考えの人が多い。ティーイングエリアで「よし、ここで飛ばしてバーディとるぞ!」みたいな気迫に満ち溢れている人はあまりいない。もちろん、ゼロではないけど、少数派だよね。

ボクが思うに、おそらく全ショット気合入れまくりだと疲れちゃうんだよね。試合は3日、4日あるから体力、精神力がもたない。だから、みんな抜くところは、抜いている。それがドライバーってわけ。

実際300Y飛ばす人でも、出場者のプロフィール欄には飛距離250Yと書いてある。それは、謙遜でも、ライバルを油断させるためでもなく、単にこだわってないだけ。250Yだろうが、300Yだろうが大差なし、と思っているのだ。現にボクがそう。ティショットが10Y、20Y飛ぼうが、飛ばなかろうか大勢に影響ないのだ。それよりも、アプローチがダフって3Y飛ばないほうが、よっぽど困る。

その感覚は、競技に出ると実感するかも。そうだ! 興味がある人は1回、出てみるといいと思う。競技なんて滅相もないと思っている人も、ドライバー至上主義をやめてみる。そうすると、肩の力が抜け、楽しくラウンドできる。ひいては、スコアに好影響を及ぼすはずだよ。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年10月22日号より