【通勤GD】迷ったとき、ユハラに帰れ! Vol.7 アドレスは形よりも“自然体” ゴルフダイジェストWEB
ボールのスピン量をテクニックで操っていた先人からは、学ぶところがたくさんあると湯原。そうした先人ちの教えのひとつが「アドレスは自然体」。自然体とは具体的にどういうことか。今週の通勤GDは「迷ったとき、ユハラに帰れ」、その第7話。
前回第5話はこちら↓
【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【湯原信光プロ】
ツアー7勝、シニアツアー1勝の日本を代表するショットメーカー。とくにアイアンショットの切れ味は、右に出るものはないと言われた。現在は東京国際大学ゴルフ部の監督も務め、後進の指導にも力を注いでいる。
GD 先人たちに学ぶところはまだまだたくさんあるとおっしゃっていましたが、その教えのひとつに「アドレスは自然体で」という言葉があります。
湯原 自然体のアドレスはゴルフの基本中の基本です。
GD ゴルフはアドレスを作らないと始まらないもの。アドレスさえちゃんとできれば、スウィングの80%ぐらいは決まってしまうとまで言う人もいるぐらいです。
湯原 それは大袈裟ではなく、的を射ていると思いますよ。
GD しかし、抽象的に自然体と言われても、具体的にどうすればいいのか戸惑う人も多いと思います。まず、湯原プロにとってアドレスでもっとも大切なことは何ですか。
湯原 まさにその自然体です。たとえば武道の達人が、相手の攻撃を受けるにしても、こちらから攻撃するにしても、どのようにでも対処できる姿勢で構えますよね。それが自然体なんです。自分の体をいかようにも動ける状態にしておくことです。武術で言えば、達人であるほど構えに力が人っていないように見えるのに、どこか地面に根が生えているかのような、どっしりとした構えにも見えますよね。それが攻守を兼ね備えた構えなんです。
重力に逆らわないアドレス
GD コルフのアドレスもそれと同一じだということですか?
湯原 スウィングは2度と同じものはないというのが私の考えです。それはライとか気象条件とかさまざまな要素がすべてのショットで違うから。アドレスは、そうした変化に対応できなければなりません。
GD そういうアドレスのために意識しなければならないものは何でしょうか。
湯原 地球の引力。重力とも言いますが、それと人間の体の構造との関係です。重力に逆らわず、バランスよく立っている状態が自然体と言っていいでしょう。
真上にジャンプして着地した時が自然体に近い
GD 子供のころ朝礼などで「気を付け!」「休め!」といった号令を掛けられた経験は誰でもあると思います。どちらかというと「休め!」のほうが自然体のような気がしますが…。
湯原 どちらも自然体ではないでしょう。「休め!」の状態からでも「気を付け!」の状態からでも、 すぐには動き出すことはできませんから。具体的な例を挙げるとするなら、高さ30~40センチぐらいのところから、 両足を揃えてポンッと飛び降りて着地したときの体勢が自然体ですね。もっともバランスよく立っているし、どのようにも動き出せる状態になっているはずです。
GD なるほど、自然とバランスよくなりますね。
湯原 ただしゴルフでは、自分の体だけではなく、そこにクラブという重さと長さがあるものが加わって、それを含めたバランスということになります。私の場合、どこにウェートがかかっているかというと、かかと、親指、小指の拇趾球の3点で形作るトライアングル。ここに乗るのが自然だと思います。
週刊GD2013年より