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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.116「アプローチ、トップで3秒止まって打てますか?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

アプローチが苦手だ~、という人は、試しに次のように打ってみて。

①いつものように(意識せず)テークバックする
②トップで止まりフェースを見る
③頭を戻して打つ

ちゃんと打てましたか? 簡単そうで意外と難しいでしょ。

ボクはトップで止まってフェースを見るだけでなく、そこからひざを屈伸したり、右足でケンケンしたりしても打つことができる。なんなら、トップでグリップをクロスハンドに変えたり、スタンスをアレンジしても何事もなかったように打てる。なんて自慢気に言ってるけど、はっきり言って、これができても何の得もない。ボクの場合は周囲の驚く顔が見たくてやるだけなので真似しなくていいけどね(笑)。

ただ、ひとつ言えるのは、トップで止まると打てない、という人は手先だけでひょいっと上げ、その反動で、ひょいっと打っている証拠。いわゆる早打ちだよね。だとすると、軌道がアウトサイドインになりがちなので、アプローチではチャックリが多いんじゃないかな。

一方、ボクみたいにトップで止まってもなんの支障もなく打てるということは、手打ちではないこと。さらに、きちんとフェース管理ができているということだと思う。ウェッジはヘッドが重いので、ひょいっと適当に上げると、トップでフェースがあっちゃこっちゃ向いてしまう。つねに“あっちゃ”ならいいのだが、タイミングによっては“こっちゃ”のときもあるから困るのだ。アプローチは方向性を重視したいショットなので、その辺はやはり見直したい。自覚がある! という人は次のような練習がおすすめ。

めちゃくちゃゆっくりと、フェースを目で追いながらテークバックし、トップで一旦ストップ(最低でも3秒)。そのとき、フェースの向きを確認。開いていたら(あるいは閉じていたら)スクェアに戻し、理想のトップを作ってから打つ。この練習をしてみて。あ、練習というと堅苦しいから、もちろん遊ぶつもりでいいよ。だから、当たらなくてもOK。スウィング中、どこに力が入っているか、クラブの向きやポジションがどうなっているか理解できればそれでよし。トップの位置も、自分が思っているよりも深いかもしれない。その辺も気づいたら、修正していけばいいしね。

トップで止まって打つなら、テークバックいらないじゃん、と思うかもしれないけど、テークバックがないと体のねじれが作りにくいので飛ばない。なので、やっぱりテークバックは必須。

何度も言うけど、ボクが言うヘンテコな打ち方は、実際できなくてもいい。でも、やってみるとなんか気づくことがあるかもしれない。その「アハ!体験」がなにより重要。それで、なんだかんだクラブを握る時間が増えれば……きっと損することはないよね。それを実感してほしいんだ。みんなでアハ!してみてね。

トップの位置で一度止まり、その状態からスウィングしてしっかり打てない人は、手打ちの証拠。トップで止まって打つことで、体を使ってスウィングできるようになる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年7月16日号より