【ゴルフの急所】Vol.38 “手打ち”を防ぐ! 3つのオススメ練習法
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部
手打ちに悩んでいます。ただ、体で打てと言われても、その感覚がまったくわかりません。体で打つという感覚がどういうものなのか。それを身につけるにはどうしたらいいのか教えてください。(近藤修さん・3歳・HC22)
手打ちはいけないと言われます。しかし、完全に手先を使わずに打つのはプロでも難しいものです。まして、練習量の少ないアマチュアゴルファーであれば、多少手を使ったスウィングでも構わないと、ボクは思います。
とはいえ、より上を目指したい、手先の動きを抑え、もっと体を使ったスウィングを身につけたいと考えるのは素晴しいことだと思います。ですから、そんな意思を持つプレーヤーのために、ボクなりの方法を紹介していくことにしましょう。
まずやってもらいたいのは、自分ができる限りの最高のスピードで振るということです。最初は手打ちでも構いません。素振りでいいから、とにかく思い切り振ってみてください。
それを繰り返していくと、手先の力だけでは大したスピードが出ないことに気付くはずです。さらにそれを続けていくと、下半身が自然に動き出してくるのではないでしょうか。体で打つということは、下半身を使うということ。その感覚を知るには、こういう練習が効果的なのです。
次にやってもらいたいのは、重いものを連続で振る練習です。重い棒状の練習器具、もしくはクラブを2~3本持ったら、その重さを感じながら、ゆっくりとスウィングを繰り返すのです。
このときに大切なのは、体が先行して動き、腕とクラブが後から遅れて付いてくるようにすることです。とくに大切なのは切り返しの瞬間です。クラブがバックスウィング方向に上がっているうちに、体がダウンスウィング方向に動き出す。そんな“時間差”が感じられるようになれば、自然に手打ちは抑えられていくでしょう。
また、体で打つ感覚を体感するには、インパクトの姿勢を作って、重いモノ(インパクトバッグや砂袋、タイヤなど)を押してみる。もしくは、その重いモノを、球を打つつもりで叩いてみるのもよいでしょう。
ただ、この練習をやりすぎると、インパクトが強くなりすぎて、アプローチなどの繊細なショットが苦手になる危険があります。ですから、この練習はあくまで体で打つ感覚を知る程度にとどめ、やりすぎないようにしてください。
最初に書いたとおり、手先の動きを完全に抑え込むのは難しいかもしれません。でも、手先に頼る動きを減らすことができれば飛距離も方向性もアップするはずなので、ぜひチャレンジしてみてください。
Step 1
まずは目いっぱいのスピードで振る
速く振ろうとすれば自然に体(下半身)を使うようになる。最初のうちは多少体がブレてもいいから、脚を使って、最高のスピードでスウィングしてみよう
Step 2
重いモノを連続で振る
ウェイトの付いた重い棒状の練習器具や、クラブを2~3本持った状態で、ゆっくりと連続でスウィングする。常に、腕とクラブに対して、体を先行させて動かすのがポイント。クラブがトップに上がり切る前に、体がダウンスウィング方向に動き出すようになるのが目標だ
Step 3
クロスハンドで球を打ってみる
体で打つ感覚を身につけるには、クロスハンドで打つのも効果的。クロスハンドで握ると、手先を使った瞬間に球に当たらなくなる。逆に言うと、クロスハンドで打てれば、体で打てるようになった証拠なのだ
月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より