【飛ばし】HS40m/sが一番飛ばせる約3度のアッパー軌道。女子プロのような超効率的インパクトを手に入れよう(その1)
同じヘッドスピードで振っているのに、なぜか飛ぶ人と飛ばない人がいる。理由はインパクトのエネルギー効率が良いか悪いから。では、どうすれば効率の良い“飛ばせるインパクト”を作ることができるのか。女子プロのコーチも務める目澤秀憲プロに聞いた。
ボールとヘッドの力のベクトルを合わせる
効率の良いインパクトの条件とは何なのか。まずは必要な要素を目澤秀憲プロに説明してもらった。
目澤 もっとも重要なのがスウィング軌道です。ティアップしているボールに対してややアッパー軌道でボールをとらえる必要があり、それによって高い打ち出し角が確保できます。飛ばしの条件は高初速、高打ち出し、低スピンの3つと言われますが、それぞれの条件を満たすにはボールが飛んでいく方向とヘッドが動く方向を一致させて、力のベクトルを合わせる必要があるのです。
では、ややアッパーとはどれくらいの軌道なのだろうか。
目澤 理想は3度アッパーです。これは多くの女子プロの平均値で、軌道の最下点からボールに向かって3度アッパーでヒットしているデータです。ただ、これを小手先の動きで作ろうとしても到底できるものではありません。理想的なアッパー軌道を実現するにはまず正しいアドレスを作ること。構えが間違っている時点でボールに力を伝えることはできません。
ヘッドスピードが速い男子プロはレベルブローやわずかなダウンブローが多いが、HS40m/sから43m/sの女子プロや一般ゴルファーには、この軌道が最も効率的なのだ。
〇 高打ち出しで大きなキャリーが出ます
軌道の最下点からヘッドが上昇しながら当たることで高い打ち出し角でキャリーを出すことができる。低スピンの球質で飛ばすには打ち出し角を確保することが第一条件になる。
✖1Wで“ロブショット”をしているようなもの
体がボール方向に突っ込んでしまうと軌道はアッパーではなく鋭角になる。上から入るとフェースが開きやすくスピン量が多くなる。真っすぐ飛んだとしても飛距離は出ない。
エネルギー効率の悪い人のインパクトの典型的な形は体が突っ込んでいる状態。ボールを打ちにいく意識が強いとどうしても体は突っ込みやすくなると目澤プロ。
目澤 体が突っ込んだ状態でインパクトするとスピン量が増えて吹き上がります。飛ばない原因のひとつです。
構えを直すことから始めよう
効率の良いインパクトにはアッパー軌道が必要なことはわかった。では、それを実現するために必要なアドレスはどのように作ればいいのだろう?
目澤 インパクト効率の悪い人は自分では正しく構えているつもりでも間違っていることがほとんど。具体的に言うと、ボールに当てたい気持ちが強くなることでボールを真上から見るように構えてしまっています。理想的なアッパー軌道で振るためには体の軸を右に傾ける必要があり、その度合いが問題になります。適度に体の軸を傾けるコツはボールを右側から見ることです。
ボールを少し右側から見ることでイメージも変わると目澤プロ。
目澤 少し右側から見れば自然と下から入るイメージが湧いてきます。まずは構えで軌道や弾道のイメージを作ることが大事なんですよ。
〇 ボールの後ろ側を見るように構える
ボールの後ろ側(右半分)を横から見るように構えると体の軸が右に傾いて、アッパー軌道で振れる状態が整う。少し右から見るのがポイントで、極端にやりすぎるとダフリやすくなるので注意しよう。
体を傾けて右肩が少し下がった状態で構えることで、アッパー軌道を作りやすくなる。アッパーに振ろうとするのではなく、アドレスで作った体の形なりに振れば、ナチュラルにアッパー軌道が作れる。
✖ ボールを真上から見ると上から入りやすい
ボールを真上から見るようにして構えると体がターゲット方向に突っ込んだ形になりやすく、アッパー軌道を作りにくくなる。入射角が鋭角になりスピン量が多くなる原因にもなる。
ボールを真上から見て構えると右肩が前に出やすくなる。結果、軌道が鋭角になり、アウトサイドインになる。アドレスで右肩が前に出ていると、肩のラインが左を向くので左右両方のミスが出やすい。
【ドリル】1Wで“10ヤード”練習が効く!
【ドリル1】ドライバーのハーフショット練
ドライバーでハーフショットを行う。クラブを腰まで上げたら左手首を下に向けるようにして、フェース面を管理する。キャリー10ヤード程度でいいので、フック回転のボールが打てれば合格。
【ドリル2】棒を置いて片手素振り
前傾した状態で棒を左手に持ちアドレスをする。棒の角度が変わらないように右手だけでインパクトまで持っていき、棒を外して右手を合わせる。アドレスで作った前傾角が崩れないようにしよう。
【効果】正しい軌道を覚えられる
棒を立ててシャドースウィング(素振り)をすると上下動が抑えられるので、前傾角度の意識が高まり、姿勢がキープしやすくなる。姿勢がキープできれば、体の動きに安定感が生まれ、正しい軌道でスウィングすることができる。
週刊GD9月3日号より
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