9人の名手が2ホールずつ設計した千葉の難コース『コスモクラシック』
名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、千葉県の「コスモクラシック」をご紹介!
PHOTO/Yasufumi Sakagami TEXT/Mika Kawano
「房総のマッターホルン」伊予ヶ岳を望む
南房総、伊予ヶ岳の麓に翼を広げるコスモクラシッククラブは昭和3年の日本オープンを19歳9カ月で制したレジェンド、浅見緑蔵監修のもと有名プロ9名が2ホールずつ設計したユニークなコースである。
出だしの1番(鈴木源次郎設計)パー4は457Yと飛ばし屋でもパーオンに苦労する。4つのパー5もしっかり距離があり14本のクラブを総動員しないと攻略は難しい。
ワールドカップの前身カナダカップで日本チームを優勝に導いた小野光一が手がけた13番パー3は、谷越えで右サイドがOB。グリーン手前にバンカーが待ち構える難所だ。
林由郎(3番&12番)、棚網良平(5番&14番)、佐藤精一(9番&18番)ら往年の名プレーヤーが房総の丘陵地にどんなデザインを施したのか噛み締めながらゴルフをするのも面白い。
コースから望む伊予ヶ岳は標高336.3mと決して高くはないが、周辺のなだらかな山々とは違い岩峰の山頂が特徴的。地元ではその尖った先端から“房総のマッターホルン”と称され、天狗伝説を持つ名山だ。
房総の春は早い。菜の花の黄色い絨毯。春を告げる愛らしい花々に彩られ、館山湾から吹く爽やかな南風にほおを撫でられながら春先取りゴルフに興ずれば心華やぐはずだ。
コスモクラシッククラブ
18H・6794Y・P72
週刊ゴルフダイジェスト2021年3月16日号より