【本当にあったルールの話】Vol.2 フェアウェイで球がティーアップされた状態に! そのまま打ってもいいの?
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Yasugahira Masaya
中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中
阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2019年三菱電機レディスの17番パー4で起こった珍事。このホールのセカンド地点の前方には、ギャラリーが歩くためのクロスウェイがあり、地面に這わせたロープをティーで固定した状態でした。そこに選手の放ったティーショットが、偶然にも、このティーの上に乗り、フェアウェイでティーアップされた状態となったのです
Q. フェアウェイで球がティーアップされた状態に。このときどうする?
A. あるがままか無罰の救済を選択できる
困惑した選手は処置の確認のために競技委員を呼んだのですが、この場合、プレーヤーは2つの選択肢があります。
1つはあるがままの状態でプレーすることです。つまり、本人が望めばティーアップされた状態でセカンドショットを打つことができます。
もう1つの選択肢は、動かせる障害物の上に球が乗っている状態なので、罰なしに球を拾い上げ、ティーを取り除き、球のあった真下の基点からホールに近づかない1クラブレングス以内に球をドロップすることができます。実際、この選手は球をドロップすることを選んでプレーを続けました。(規則15.2a)
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より