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【四谷・カキフライ】10月1日より「真牡蠣」解禁! 大粒のカキが5~6個ドン! かつれつ四谷たけだ

牡蠣は〝真牡蠣〞と〝岩牡蠣〞の2種に大別される。夏が旬の岩牡蠣は、多くが天然もの。身が大きく、ジューシーで香り高く、水深10㍍ほどの比較的深い水域に生息する。対する真牡蠣は、浅い水域に生息し、養殖物がほとんど。春から8月頃まで続く産卵後、栄養を蓄えはじめた10月からが旬とされ、多くは10月1日に解禁される。10月頃から店頭に「カキフライはじめました」という張り出しが並ぶのは、多くの店がカキフライに真牡蠣を使用する証拠でもある。

ゴルフ場メシ向上委員会は「高くて」「マズい」と何かと不評の多いゴルフ場の「味改革」に役立つヒントを探しながら、誰もが食べて旨いと感じる味覚の標準値を探ります。「旨いの基準」は本家本元、本流の味を提供し続ける伝統店、人気店のメニューを考察し、多くの人に支持される味の秘密に迫るものです

箸で衣を2つに割って…「サクッ、ジュワッ、アチチ」

余談だが、真牡蠣の生食用と加熱用は鮮度の違いではなく出荷手順か育った水域で変わる。浄化槽で 規定の浄化をするか、雑菌の少ない沖合で養殖された個体は生食に適し、生活排水等の影響を受けや すい近海産は加熱用として出荷される。

したがって生食用は、旨味の元となる豊富な栄養分が抜け落ちている場合もあるので注意。話を戻す。〝初もの〞をどこで食べるかは悩ましいが、ここはぜひ〝専門店〞を選びたいところ。と言っても牡蠣の専門店ではなく〝揚げ物〞のである。

カキフライの魅力といえば、なんといってもサクッという食感と、そこから染み出す磯のエキスである。今回紹介するのは、四谷で揚げ物に特化した洋食店「かつれつ四谷たけだ」のカキフライ。四谷を代表する行列店の〝凄み〞を味わってきた。

「かつれつ四谷たけだ」のカキフライ定食。牡蠣は10月から1月まで「鳥羽産」、4月頃までは「大船渡産」だ

「もともとこの店は、祖父が築地市場内で営んでいた洋食店の2号店として、私の父がオープンしたものです。それまでは幅広いメニューを扱っていましたが、8年前に、揚げ物に特化した店としてメニューを絞りました」とは2代目の竹田雅幸さん。

来年で50年を迎えるこの店は当初、「洋食エリーゼ」という名前だった。先代より受け継がれたメニューの数々を整理し、自身が大好きな揚げ物にこだわりたいという思いから店名を変え、現在に至る。そして屋号は、築地市場にあった祖父の店からもらった。というのも食のプロが集まる築地で人気店として張ってきた祖父の「安くて旨く、腹いっぱい」という理念を再確認したかったからだ。

価格と旨さの両立は簡単ではない。実際、竹田さんが使う牡蠣は鳥羽(三重県)か大船渡(岩手県)産の生のみ。鳥羽は牡蠣のブランド「的矢」と同海域、大船渡産は三陸を代表する高級品である。

「鳥羽産は丸っこくてクリーミー、大船渡は身が締まって磯の香りが強いんです。だいたい〝はしり〞の時期から1月頃までは鳥羽、その後は大船渡産を使いますね」と竹田さん。

自家製タルタルとソースの両方使いで召し上がれ

油は加熱すると香ばしさの出るコーン油を、パン粉に使われるパンは、主流である電極式のものでは香ばしさが弱いと、高価でも火を使って焼かれた焙煎式のものを使用している。

とにかく原価がかかっているにもかかわらず、価格は1300円。店主の意地をも感じるカキフライをひと口。「サクッ、ジュワッ、アチチ…」火傷しそうなのに止まらない。これには築地の〝うるさ方〞も、納得どころか頭を下げるはずだ。

年末からは最旬時期に食べられる限定「カキバター焼き」

牡蠣のバター焼き

もう一つ忘れてはいけないのが、11月頃より出される「牡蠣のバター焼き」。この時期を心待ちにするファンも多く、これが出ると「フライにするか、焼きにするか」悩む客の姿が見受けられる

かつれつ四谷たけだ
東京都新宿区四谷1-4-2
TEL.03-3357-6004
営業時間
11:00~15:00
17:00~21:00
※土曜はランチのみ
定休日:日・祝日

月刊GD2019年11月号より

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