【読者記者】No.1830「アイアンで球がつかまらず、右に抜けてしまうことが多いんです」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「アイアンで球がつかまらない」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Norio Tsuburaoka TEXT/Daisei Sugawara THANKS/Private Golf Club 332
読者記者No.1830 渡辺明博さん
●39歳 ●美容室経営 ●ゴルフ歴/8年 ●ベストスコア/89 ●アベレージスコア/95 ●ドライバー飛距離/260ヤード
先生/今野一哉
82年生まれ、千葉県出身。20代前半で渡米し、ゴルフ修業。ゴルファーのレベルに合わせたレッスンが好評で、ジュニアの指導が得意。東京・江戸川区で「キッズゴルフクラブ」を主宰
渡辺さんのお悩み
「アイアンでボールが右に抜けてしまう」
アイアンでボールがつかまらず右に抜けてしまうことが多いです。自分なりにつかまえる動きを入れていますがあまり効果がないようです。
アドレス、トップ、ダウンスウィングと顔の向き(目線)の変化が大きい。とくに、インパクト直前で顔が目標方向を向き、これによりやや振り遅れが生じている
渡辺 コースで、アイアンが右に抜けることが多いです。
今野 ちょっと「リバースピボット」の傾向がありますね。トップでボールをよく見ようとしすぎて、頭が左(目標方向)に動いています。そうするとその時点で左重心になって、次の切り返し動作で逆に右に乗ってしまうので、フェースが開いて入りやすいんです。
渡辺 ボールはよく見たほうがいいんじゃないんですか?
今野 視界の左端くらいに、ぼんやり見えていれば十分なんです。そのくらいの意識なら、トップで頭が左に動くこともないですから。
渡辺 そうなんですか。
今野 実際に打つボールの斜め後ろ(体から遠い側)に別のボールを置いて、ずっとそちらのボールを見ながら打ってみてください。
渡辺 打つボールは見えづらいですが……確かにこれだと、トップで素直に右足に乗っていけます。
今野 切り返しで早めに左に踏み込む意識を持つと、フェースがしっかりインパクトに間に合います。
<問題点>
トップで胸が上を向いてしまう
トップでボールをよく見ようとして、頭が左に動き、胸が上を向いている。左重心になり、切り返しで左に踏み込みにくい。
記者「ボールから目を離しちゃダメですよね?」
プロ「視界の左端にぼんやり見えるだけでOKです」
右足にしっかり乗り胸を下に向ける
ボールは「ぼんやり」見るだけにして、頭を自然に右にずらし(回し)、しっかり右足に乗ると、次の動作ですぐに左足を踏み込める。
Drill 1
ボールの後ろに目線の目印を置いて打つ
テークバックの途中からボールは見えづらくなり、トップでは視界の左端にうっすら見える状態が普通。これが不安な人は、頭を左に動かしてしまい「リバースピボット」になりやすい。最初からボールの後ろの目印に視線を固定すると、不安なくトップまで上げられる。
記者「インパクトは左重心ですよね?」
プロ「ボールが離れるまでは右重心が正解です」
Drill 2
左足を1歩引いて右足体重で打つ
左足を引き、体重のほとんどを右足にかけた状態でボールを打つ。トップで左足に乗ってしまう「リバースピボット」がクセになっていると、バランスが崩れてうまく打てない。右足1本で打てるようになると、トップまでの動きが自然になる。
Drill 3
右足に段差を作って打つ
マットの端の小さく段差になっているところに、あえて右足を置いて、足の外側(小指側)を低くして打つ。トップで重心を左にかけづらい。
右重心でインパクトできた!
右足の外側が低いので、切り返しで左に踏み込んだ際も体が突っ込まず、インパクトまで右重心を保って打つ感覚がわかる。
Point
トップの手前で早めに左足を踏む
トップでクラブが上がり切る前に、1テンポ早く左足を踏み込む意識を持つ。下半身リードにより、それ以降の動きがスムーズになる。
トップまで上がり切ると切り返せない
<取材後記>
右重心が新鮮だった
右足重心のドリルはどれも、右足がロックされる感じで、本当に体が左に行かなくなるので、今までと感覚がまったく違って新鮮でした。でも、そのほうがつかまるのを実感できました。
月刊ゴルフダイジェスト2023年10月号より