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契約フリーになった三ヶ島かな。各メーカー担当も舌を巻くクラブ選びのこだわりとは?

今年から契約フリーとなった三ヶ島かな。半年かかって完成されたセッティングの裏では多くのツアー担当の苦労があった。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara

三ヶ島かな みかしまかな。21年のリコーカップで初優勝を飾る。今年契約フリーとなりクラブを一新。全米女子オープンで予選通過

ツアー担当もてんやわんや

契約フリーとなり、自分好みのセッティングを作り上げた三ヶ島だが、6月末まで納得のいくセッティングにできていなかったという。「セッティング完成まで半年かかりました、100本以上は打っているかもしれません」(三ヶ島)

ミズノのプロ担当・笠原氏いわく、女子プロとは思えないほどのこだわりがあったという。

「もっともこだわったのが顔。審査基準が厳しく、多くのモデルのトップブレードを削って試してを繰り返し、『JPX923』に決定。と思いきや、ここで終わらないのが三ヶ島プロ。抜けや飛距離のこだわりも強く、ソールの削りまで……。プロ担当としてはやりがいはありましたが(笑)」(笠原)

アイアン
ミズノ「JPX923」

「トップブレードの厚みに苦労しました」(ミズノ・笠原氏)
トップブレードが厚いのを嫌う三ヶ島のために、何度もトップブレードを削り、抜け感を出すためにバウンスも削っていった

【アイアンの要望】
●イケメン顔じゃないと嫌
●抜けがいいようにバウンスを削ってほしい
●飛びすぎるから少しロフト寝かせてほしい

FW
ヤマハ「RMX VD」

「つかまりすぎず飛んでほしい。男子プロみたいな注文でした」(ヤマハ・片岡氏)
「左へのミスが多いとのことで、構えからやや右を向くようにセット。自分でつかまえる仕様にしました」

【FWの要望】
●顔はやや右を向いていてほしい
●飛距離が出て曲がらない
●ある程度スピンも入ってほしい

UW
キャロウェイ「APEX UW」


「女子プロは滅多に使わないクラブをチョイス」(キャロウェイ・水野氏)
「『UW』を使う人はほとんどいないなか、飛距離が出て上がるものが要望だったのでこのモデルになりました」

【UWの要望】
●高さが出て飛距離も出したい
●顔が左を向いていない

ウェッジ
タイトリスト「SM9」/「ウェッジワークスプロト」

「削り方にかなり苦労しました」(タイトリスト・岩国氏)
「アプローチで多用する59度の削りには特にこだわりが強く、何度も削って打ってを繰り返して今の抜け感を作りました」

【ウェッジの要望】
●ボールが乗る感覚がある
●しっかりスピンが入る
●1度ずつロフトを立ててほしい

三ヶ島かなの14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2023年9月号より