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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.28 錯覚が距離感を惑わせる! 北海道「十勝CC」2番パー4

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、十勝CCの2番ホール。

【名物ホールFile 28】

十勝CC
2番ホール
347Y Par4

広大な自然を生かした
戦略性あふれるコース

広大な十勝平野に位置する帯広。その郊外に展開するのが十勝CCだ。開場は1964年だから今年で59年目を迎える歴史あるコース。緩やかな丘陵地にあり、アウトはフェアウェイが広く開放的で、インは多くの樹木でセパレートされ距離のあるホールが続く。なかでも13番は594ヤードのパー5、14番は394ヤードのパー4、16番も長く399ヤードのパー4、そして17番は222 ヤードのパー3で、レギュラーティーからでも194ヤードだから、後半はかなりハードなホールが続き、耐えるゴルフを強いられ、苦戦したのをよく覚えている。

2番ホールは347ヤード、レギュラーティーからは342ヤードのパー4。距離から判断すると難しくはないが、かなり印象に残ったホールだ。その理由はグリーンに近づくにつれ、やや違和感のある造形がされていたからだ。

ティーショットは正面に見える樫の木を避けて右寄りに。打ち上げの2打目は、グリーン手前にある樹木を避けてピンを狙うことになるが、グリーン周辺の造りが変わっていてその造形から距離感がつかみにくく、キャディさんに「グリーンはどこを狙い、奥はどうなっています?」と思わず聞いたほどだ。グリーン左にバンカーが4個並び、そのうちの3個がいずれも手前に向かって縁が高くなっているため距離感がわかりにくく、グリーンオーバーした場合のことを考えたからだ。視覚的にもゴルファーを惑わす、印象的なホールだ。

12番パー3も攻めごたえアリ

12番ホールは211ヤードのパー3。レギュラーティーからでも198ヤードとタフだ。ホールは松に囲まれかなり狭く感じ、正確さも求められる

十勝カントリークラブ

北海道河東郡音更町字下士幌51
18H・6663Y・P72
コース設計/佐藤敏夫


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2023年8月号より