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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.78「悪いライ」を積極的に探して練習しよう

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

アプローチショットで重要なのは、ライの見極めだ。とくに、芝が伸びてきてラフからのアプローチショットが難しくなるこの季節。順目なのか、逆目なのか、ボールが浮いているのかを慎重に見極めて、「イケる」か「イケない」かを判断したい。

なーんてことは、普段、平らなところからしか練習していない人の話。

僕は普段から、積極的に悪ライを練習しているので、「イケない」と思うことがない。もはや平らなところからの練習は必要ない、とすら思っている。なぜならゴルフはミスをするスポーツだから。コースへ出たら、まっ平らなところから打てることなどまずないもんね。

ティーショットが完璧でも、行ってみたらディボット跡に入っていたとかはザラ。その不測の事態に対し「むむ、これはどうやって打つのかな?」って迷っていたら、そりゃ、ザックリしちゃうよ。それを防ぐために僕は、日ごろから悪ライを探しては、そこに球を入れて練習をしている。悪ライリカバリー選手権があったら、四国チャンピオンどころではなく、全国チャンピオンになれるかもしれない。

例えば、グリーンまで50ヤードのセカンドショット。普通だったらSWで打ちたいが、もしボールがディボット跡の先端にあったら……SWで打つと壁に当たってボールが上がりすぎてしまうだろう。そんなとき、ディボット跡があることを責める人もいるよね。

でも、ディボット跡はあるもの、ハマるもの。そう思い、普段から練習しておけば、SWだと届かないから、9IやPWで転がせばいいことがわかる。

もちろん、それを練習場のマットで練習するのは難しい。だから、もしコースにアプローチ練習場があったら、ラウンド前であれ、ラウンド後であれ、積極的に悪ライを練習するといいと思う。バンカーがあったら、わざとへりに置いてみる。逆目のラフがあったら、わざと深く沈めてみる。これはさすがにないだろう、という状況もあえてやる。悪ライからの、もっと悪ライもいいだろう。そうすると「ああ、アプローチはSWだけじゃダメで9Iや7I、ときにはパターを使わないと寄らんのやなー」っていうのが実感できるだろう。

悪ライの練習って、やってみと意外と楽しいんよ。いわゆるナイスショットが求められるものじゃないから、芯にあたらなくてもフラストレーションがたまらないしね。逆に、芯をわざと外して打つことも多い。場合によっては、誰もそんなところで打たないであろう、名もなき部分が意外と使えたりする。例えば、アイアンの先端部分(リーディングエッジとトレーリングエッジの間)とかね。あとは、パターのヒール側は平らだし、アイアンと違ってシャンクしないからおすすめだよね。

まさに「遊ぶつもりでやってみて」である。あれやこれや試した結果「こんな悪ライには、こんな技が有効でした」という発見があったら逆に教えて欲しいな。待ってま~す。

コースでは平らなライなどほとんどない。そのため、良いライより悪いライの練習が役立つ。様々な状況を想定した練習をすれば技の引き出しが増える


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年7月24日号より