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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.27 随所に歴史を感じさせる高原コース。長野県「塩嶺CC」3番パー5

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、塩嶺CCしらかばCの3番ホール。

【名物ホールFile 27】

塩嶺CCしらかばC
3番ホール
583Y Par5

一度行ったら忘れない
存在感のあるコース

信州塩嶺高原に展開する27ホールのコースは、上田治の設計によるものだ。標高1000メートルの高原にあり、周りの景色を見ると「ザ・高原コース」なのだが、各ホールともフェアウェイは広く、急激な打ち上げ、打ち下ろしはほとんどない。上田治といえば、地形を巧みに生かした設計が特徴で、大阪GCなどはその特徴が色濃く反映されたコースである。それが一転、塩嶺は同じ上田の設計とは思えないほど、端正でおおらかな表情を持つ。

3番ホールは27ホールの中で最長の583ヤード・パー5。ティーイングエリアからはほぼ直線に見えるが、わずかながら右にドッグレッグしている。1打目はフェアウェイ右を狙い、2打目も左にあるバンカーに入れないように、右から攻めるのがこのホールを攻略するセオリーだ。2打目地点へ進んで行くとフェアウェイの少し手前のラフに大きな石があり、そこには「伝説 御座石」と石のいわれが書かれてあった。このコースは、いろいろな所に“歴史”を感じることができ、プレー以外の楽しみも非常に多い。

フェアウェイは広く、ハザードも少ないため思い切り振ることができるのだが、距離のある3打目をミスって4オン。グリーンは左上から下り傾斜がきつくピンよりも手前にボールを落とすのが正解だが、わかっていてもそう上手くはいかない。豪快な攻めを求め、グリーンでは繊細な感覚が必要となるこのコースは、紛れもなく上田治の理念が根づき、挑戦意欲を喚起させてくれるのだった。

コースにいながら歴史を感じられる

ハウス近くには7~8000年前の縄文時代初期の遺跡があったようだ。ゴルフに行った先で歴史を感じることができるのは得したような気になる

塩嶺カントリークラブ

長野県塩尻市大字北小野4956
9H・3409Y・P36(しらかば)、9H・3453Y・P36(りんどう)、9H・3313Y・P36(すずらん)
コース設計/上田治


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より