【名手の名言】トミー・アーマー「ヘッドアップはまずいが、頭は残すな」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は伝説の名器を生み出したことでも知られるレジェンド、トミー・アーマーの言葉をご紹介!
ヘッドアップはまずいが
頭は残すな
トミー・アーマー
ゴルフではときおり、矛盾にみちた表現にぶつかることがある。このトミー・アーマーの言葉もまたそういうふうにとられるであろう。しかしその言葉を精査するとそうでないことがわかる。
ミスショットの原因はヘッドアップによることが多い。ボールの行方が気になるあまり、頭が早く起き上がり、トップやダフリといったミスにつながる。しかしだからといってそれを過剰にしてはいけないとアーマーはいう。
頭を固定しすぎると、肝心の振り抜きがおろそかになってしまう。あまりに頭を動かさないことを意識してしまうと、それがブレーキとなってフォローがスムーズにとれなくなってしまう。ヘッドスピードが上がらないばかりか、手だけで球をつかまえるような打ち方になりやすい。
だから、アーマーは頭というより背骨を動かさない。つまりスウィングは背骨を中心に回転すると考えたほうがよいと提案している。そうすれば結果的に頭の位置は動かなくなり、軸ブレによる軌道のズレも生じなくなる。
ヘッドアップは、あくまで悪いスウィングをした“結果”として起こる現象にすぎず、その結果だけを見て対症療法的に直そうとしても、根本的な解決にはならない。
アーマーの言葉にはゴルフだけに限らない教えが詰まっている。
■トミー・アーマー(1895~1968年)
スコットランド・エジンバラ生まれ。高校時代から才能を発揮し、18戦17勝の記録が残っている。20年フランスアマに優勝。24年米国でプロ転向。27年全米オープン、30年全米プロ、31年全英オープンを獲り、シルバー・スコット(いぶし銀のスコットランド人)と呼ばれた。アマ時代に英米アマ対抗戦ウォーカーカップの英国代表、プロではライダーカップの米国代表に選ばれるという偉業もなしとげた。頭脳明晰でクラブ設計、製作にも情熱をそそぎ、ニックネームの「シルバースコット」の名で売り出され、伝説的名器として今に残っている。
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