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【ゴルフジム】「ドライバーが安定せず、左右どちらのミスも出てしまいます」

読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「ドライバーの球筋が安定しない」というもの。その解決法とは?

PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/北谷津ゴルフガーデン

教える人/小暮博則

こぐれひろのり。72年生まれ、埼玉県出身。12年、「スタック&チルト」理論の生みの親、M・ベネット、A・プラマーから直接指導を受け、日本人初の公認インストラクターとなる。PFGA主宰

<今週のお悩み>
「ドライバーが左右に散らばって
球筋が安定しない」

●鈴木成三郎さん(31歳/身長177cm/ゴルフ歴3年/ベストスコア108/平均スコア115)
トップで飛球線とクロスしたシャフトを、切り返しで寝かせながら引き下ろしているので、右サイドが下がりやすく、右腰は浮き(伸び上がり)やすい。フィニッシュが右足重心で、野球のバッティングフォームを連想させる

鈴木 ドライバーで、左右どちらのミスも出るんです。

小暮 ひとつ問題なのは、トップでシャフトがクロスして(シャフトが目標より右を指して)いて、切り返しのときに、グリップエンドがボールの方向を向いていないことです。右手だけで、クラブの中間部分に近いところを持って、トップまで上げてみてください。そうすると、シャフトをクロスさせないためには、右手をどう使えばいいかがよくわかるはずです。

鈴木 右ひじを下向きにして、わきを空けないことと……それから、ひじから先を外側にひねる動きが必要ですね。

小暮 その通りです。そうやってトップのクラブの形が整ったら、ダウンスウィングでは右腰を浮かせずに(前に出さずに)振りましょう。鈴木さんのスウィングは、右腰が浮いて、手元が前に出る(過度なハンドファースト)、ちょうど野球のバッティングのフォームに似た形になっているので、インパクトでフェースがスクエアに戻りにくくなっているんです。

トップでシャフトがクロスしています

テークバックでひざが左に流れた結果、インパクトでは左足が突っ張っている。これを野球に例えると、バッティングで、とくにインコースの球を打つ場合に、体を先に開いて手元を小さく、速く振っている状態。フェース面でボールを打つゴルフでこれをやってしまうと、ヘッドが振り遅れて右に飛ぶか、無理に手を返して左に引っ張るかの、ほぼ二択になってしまう

鈴木 ずっと野球をやってきたので、そのクセが出ているんですね。

小暮 右足を1歩引いた状態で素振りしたり、さらにその足を、逆さにしたボールかごの上に置いたりしてボールを打つと、右腰を浮かせずに振る感覚がつかめると思います。インパクトで手元を止める感じで、ヘッドのほうを先に振るイメージだと、右足を引いた状態でも鋭く振れます。

これで解決!
「トップで右わきを締め

 右腰を前に出さずに打とう」

Point 1
トップで右わきを締める

クラブの中間部に近いところを持ち、グリップエンドの向きに注目しながら、右手でトップまで上げる。シャフトをクロスさせないためには、右ひじを下に向ける必要があることがわかる

Point 2
手元を止めてヘッドを走らせる

インパクトを過ぎても手元を振り続けてしまうと、いつまでもヘッドがリリースされない。むしろ手元を止める(あるいは、左手を体に引き付ける)ようにすると、ヘッドが走ってフェースがスクエアになる

Point 3
インパクト後も体を回し続ける

ダウンスウィングに入ってからは、腰の回転を止めることなく回し続けることで、スムーズに左足に乗っていける。回転が止まると、右に体重が残りやすい

Drill
引いた右足を高くして振る

右足を1歩引き、ボールかごなどの上に置いて高くした状態で打つ。右腰を前に出して(右股関節を伸ばして)振ることが難しく、前傾が保たれて「ふところ」が広くなり、そこに手を下ろしていく感覚がわかる

週刊ゴルフダイジェスト2023年1月3日号より